母乳育児と子どものアレルギー疾患との関連:エコチル調査
Association of breastfeeding with caregiver-reported physician-diagnosed allergies in children: the Japan Environment and Children's Study.
どんな研究?
01 — Summaryエコチル調査の約10万件のデータを分析した研究で、生後6か月間の完全母乳育児は気管支ぜんそくや鼻炎のリスクを下げる傾向がある一方、食物アレルギーのリスクはやや上昇する傾向が示されました。これらの関連は3歳以降には薄れていき、また男女差も見られました。
要点
02 — Key points- 01生後6か月間の完全母乳育児は1〜2歳時点の気管支ぜんそくリスク低下と関連していた
- 02完全・非完全母乳育児ともに、1〜2歳時点の食物アレルギーリスクがやや上昇する傾向があった
- 03これらの関連は3歳以降では弱まり、性別によっても異なる傾向があった
保護者の記録(医師診断を報告)に基づくため、診断の確実性にばらつきがある可能性があります。観察研究のため因果関係は示せません。授乳方法と離乳食開始時期の交絡を完全には除外できていません。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- コホート研究
- エビデンス強度
- コホート研究
- 掲載誌
- (誌名不明・原文参照)
- 発表年
- 2026
- DOI
- 10.1186/s40168-025-02105-7
- 出典
- Europe PMC
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related乳児期の授乳・離乳食の時期と子どものぜんそく・アレルギー疾患の関連
フィンランドの3,781人の子どもを5歳まで追跡したコホート研究。母乳育児の期間と補完食の導入時期が、ぜんそくや他のアレルギー疾患の発症リスクとどう関係するかを調べました。早すぎる補完食の導入が一部のアレルギーリスクと関連する傾向が報告されています。
きょうだいの生まれ順と子どものアレルギー(日本の全国出生コホート)
日本で2010年に生まれた赤ちゃんの全国調査データを使い、きょうだいの生まれ順(第1子か、下の子か)と、ぜんそく・食物アレルギー・アトピー性皮膚炎との関係を9歳まで調べた研究です。生まれ順が後の子(上にきょうだいがいる子)ほど、食物アレルギーは一貫して少なくなりました。ぜんそくは乳児期には多めでも学童期には少なくなり、アトピー性皮膚炎は乳児期に多めという、病気ごと・年齢ごとに異なる関係がみられました。
妊娠糖尿病の母親から生まれた子どものアレルギー疾患
妊娠糖尿病(GDM)にさらされた胎児は、生後の免疫システムの発達が変化し、アレルギー疾患(ぜんそく・アトピー・食物アレルギーなど)を発症しやすくなる可能性があるというエビデンスを系統的に整理したレビューです。腸内細菌や免疫細胞の発達に対するGDMの影響がメカニズムとして考えられています。