妊娠中の毎日朝食摂取習慣と3歳子どもの神経発達の関連:エコチル調査
Association between daily breakfast habit during pregnancy and neurodevelopment in 3-year-old offspring: The Japan Environment and Children's Study.
どんな研究?
01 — Summaryエコチル調査(日本環境と子どもの研究)の72,260名のデータを解析し、妊娠中の朝食摂取習慣と子どもの3歳時の神経発達遅延との関連を調べました。毎日朝食を食べていた妊婦の子どもでは、コミュニケーション発達の遅れリスクが約13%低く(aOR 0.87)、この傾向は母体のエネルギー摂取量や子どもの性別によっても修飾されました。朝食習慣が子どもの神経発達に関連している可能性が示されましたが、因果関係ではありません。
要点
02 — Key points- 01妊娠中に毎日朝食を食べていた母親の子どもは、3歳時のコミュニケーション発達遅延リスクが約13%低かった
- 02関連の大きさは母体の1日エネルギー摂取量や子どもの性別によって異なった
- 03妊娠中の規則正しい食習慣(朝食)が子どもの発達と関連する可能性があるが、観察研究のため因果ではない
観察研究であり、関連であって因果関係ではありません。朝食習慣は自己申告によるものであり、正確な栄養素摂取量は測定されていません。他の食習慣・生活習慣との交絡が残存する可能性があります。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 前向きコホート研究
- エビデンス強度
- コホート研究
- 掲載誌
- Scientific Reports
- 発表年
- 2024
- DOI
- 10.1038/s41598-024-55912-x
- 出典
- Europe PMC
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related妊娠中の血糖スクリーニング低値と3歳児の発達遅延:エコチル調査
妊娠中に行うグルコース負荷試験(血糖スクリーニング)の結果が低かった母親から生まれた子どもは、3歳時点でのコミュニケーション・粗大運動・微細運動・問題解決の各領域で発達遅延のリスクが高い傾向があることが、日本のエコチル調査(約12,000人)で示されました。この関連は女児よりも男児で強く見られました。ただし、観察研究であり因果関係の断定はできません。
妊娠中のPFAS曝露と子どもの神経発達の軌跡:コホートと代謝物解析による早期警戒
中国・上海の412組の母子を対象に、妊娠12〜16週時点の血中PFAS(フッ素系化合物)濃度と6〜48か月の神経発達の関連を調べました。特定のPFAS(PFOSやPFHxS)の血中濃度が高いほど、コミュニケーション・社会性・総合得点の発達が遅れがちな傾向が見られました。代謝物解析では神経伝達物質のバランスへの影響も示唆されています。
妊娠中の血圧軌跡・変動と2歳時の子どもの神経発達の関連
中国武漢市の2,797組の母子ペアを対象に、妊娠全期間の血圧変化パターンと2歳時の子どもの神経発達(ベイリースケール)との関連を調べました。血圧が「低値から上昇」「中程度から上昇」のパターンを示した母親の子どもでは、運動発達遅延のリスクが約1.4〜1.5倍高い傾向がありました。また拡張期血圧の変動が大きいほど子どもの精神・運動発達スコアが低い傾向があり、妊娠中の血圧変化の安定性が重要である可能性が示されました。