HMO時代のプロバイオティクス:ビフィドバクテリウム・インファンティスM-63の乳児への効果
Probiotics in the New Era of Human Milk Oligosaccharides (HMOs): HMO Utilization and Beneficial Effects of Bifidobacterium longum subsp. infantis M-63 on Infant Health
どんな研究?
01 — Summary母乳オリゴ糖(HMO)を利用できるビフィドバクテリウム・インファンティスM-63株が乳児の腸内環境・免疫・健康に与える影響をまとめたレビューです。現代の乳児ではこの菌の定着が減少している懸念があり、プロバイオティクスとしての投与が腸内環境や免疫の改善に寄与する可能性が述べられています。
要点
02 — Key points- 01ビフィドバクテリウム・インファンティスはHMOを特異的に代謝し、乳児腸内で優位となれる
- 02現代の乳児では本種の腸内定着が減少しており、プロバイオティクス補充の意義が検討されている
- 03同菌の投与が免疫調節・感染防御・代謝産物産生に寄与する可能性が示唆されている
ナラティブレビューであり、系統的な文献評価ではない。多くのエビデンスが前臨床研究や小規模試験に基づいており、臨床的意義の確立には更なる研究が必要。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- ナラティブレビュー
- エビデンス強度
- 総説・その他
- 掲載誌
- Microorganisms
- 発表年
- 2024
- DOI
- 10.3390/microorganisms12030476
- 出典
- OpenAlex
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Relatedプロバイオティクスを投与された超早産児の腸内細菌叢:入院から退院までの変化
在胎32週未満・1500g未満の超早産児にプロバイオティクスを投与した際の腸内細菌叢の変化を、入院から退院まで追跡しました。プロバイオティクス投与に伴い、有益とされる細菌(ビフィズス菌など)が増加し、腸内細菌叢の多様性にも変化がみられました。ただし、個人差が大きく、投与した菌株の定着には差があることも明らかになりました。
プロバイオティクスを補充した超早産児の腸内細菌叢の特徴
在胎32週未満・1500g未満で生まれた早産児71人の腸内細菌叢を入院時と退院時で比較しました。時間経過とともに菌の組成が大きく変化し、入院時は黄色ブドウ球菌属が多く、退院時にはラクトバチルスなどが増加しました。敗血症や未熟児網膜症がある児では腸内細菌の多様性が低い傾向にあり、母乳のみで育った児と比べて人工乳も与えられた児では多様性が低かった可能性が示唆されました。
母乳オリゴ糖(HMO)は乳児の腸内細菌叢と免疫の発達を支える
母乳に含まれるオリゴ糖(HMO)は、乳児の腸内細菌の育成や免疫の発達に多面的に関わっています。HMOは善玉菌(ビフィドバクテリウムなど)を増やし、病原体の侵入を防ぐ腸の壁を強化する働きがあることが、臨床試験や観察研究で示されています。人工的に合成された同等のオリゴ糖(HiMO)を添加した粉ミルクにも一部の効果が確認されていますが、通常の粉ミルクへの定期添加の恩恵については研究間でばらつきがあり、まだ結論は出ていません。