プロバイオティクスを補充した超早産児の腸内細菌叢の特徴
Characterising the Bacterial Gut Microbiome of Probiotic-supplemented Very Preterm Infants
どんな研究?
01 — Summary在胎32週未満・1500g未満で生まれた早産児71人の腸内細菌叢を入院時と退院時で比較しました。時間経過とともに菌の組成が大きく変化し、入院時は黄色ブドウ球菌属が多く、退院時にはラクトバチルスなどが増加しました。敗血症や未熟児網膜症がある児では腸内細菌の多様性が低い傾向にあり、母乳のみで育った児と比べて人工乳も与えられた児では多様性が低かった可能性が示唆されました。
要点
02 — Key points- 01早産児の腸内細菌叢は入院中に大きく変化し、有益な菌(ラクトバチルスなど)が増加した
- 02敗血症や未熟児網膜症を発症した児では腸内細菌の多様性(α多様性)が有意に低かった
- 03母乳のみで育てられた早産児は人工乳を使用した児より多様性が高い傾向があった
プレプリント(査読前)のため結果の解釈は暫定的。サンプル数が少なく(71人)、オーストラリア単施設のデータ。プロバイオティクス補充下の結果であり、非補充との比較は行っていない。関連であり因果ではない。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 前向き観察研究
- エビデンス強度
- 観察研究
- 掲載誌
- Research Square
- 発表年
- 2021
- DOI
- 10.21203/rs.3.rs-144762/v1
- 出典
- OpenAlex
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Relatedプロバイオティクスを投与された超早産児の腸内細菌叢:入院から退院までの変化
在胎32週未満・1500g未満の超早産児にプロバイオティクスを投与した際の腸内細菌叢の変化を、入院から退院まで追跡しました。プロバイオティクス投与に伴い、有益とされる細菌(ビフィズス菌など)が増加し、腸内細菌叢の多様性にも変化がみられました。ただし、個人差が大きく、投与した菌株の定着には差があることも明らかになりました。
超早産児の生後1か月の腸内細菌叢と2歳時の神経発達アウトカムの関連
生後1か月の超早産フランス人乳児73人の便を調べ、腸内細菌・代謝産物・遺伝子発現を総合的に分析して、2歳時の神経発達(Ages & Stagesアンケート)との関連を検討しました。腸内細菌が大腸菌(Escherichia)優位のグループでは代謝経路が活発で、2歳時の発達が良好な傾向があり、ブドウ球菌(Staphylococcus)優位では逆の傾向がみられました。腸内細菌叢が腸管の成熟度の指標になりうる可能性を示しています。
母乳の細菌叢:起源・決定因子・乳児への微生物伝達と腸内細菌叢形成における役割
母乳には多様な細菌が含まれており、赤ちゃんの腸内細菌叢(マイクロバイオーム)の形成に重要な役割を果たしている可能性があります。この総説では、母乳の細菌叢がどこから来るのか(母親の腸・皮膚・赤ちゃんの口など)、何によって変わるのか(食事・分娩方法・授乳期間など)をまとめています。帝王切開や早産・抗菌薬を経験した赤ちゃんでは腸内細菌のバランスが乱れやすく、母乳がその補完に役立つ可能性があります。ただし、母乳から赤ちゃんの腸に特定の菌株が定着するという直接的なエビデンスはまだ限られています。