病院での母乳代替品サンプル配布と日本における授乳実践との関連
Relationship between Receipt of the Samples of Breast Milk Substitutes in Hospitals and Breastfeeding Practice in Japan
どんな研究?
01 — Summary日本の母親2,045人の調査で、82.4%が医療機関で人工乳のサンプルを受け取っていました。サンプルを受け取った母親は、受け取らなかった母親に比べて生後5か月未満の完全母乳育児を継続する可能性が約30%低く、妊娠中に母乳育児を意図していた母親に限定しても同様の傾向が見られました。医療機関での人工乳サンプル配布を規制することが完全母乳育児の促進につながると提案されています。
要点
02 — Key points- 01日本の母親の82%以上が病院で人工乳サンプルを受け取っていた
- 02サンプルを受け取った母親は完全母乳育児を継続する可能性が約30%低かった(OR 0.71)
- 03医療機関での人工乳サンプル配布の規制が母乳育児支援に重要と指摘
横断的デザインのため因果関係を証明できない。母乳育児継続意欲・社会経済的背景など交絡因子が残る可能性がある。自己報告によるデータで思い出しバイアスが生じうる。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 横断的観察研究
- エビデンス強度
- 観察研究
- 掲載誌
- Women s Health Reports
- 発表年
- 2024
- DOI
- 10.1089/whr.2024.0042
- 出典
- OpenAlex
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related妊娠糖尿病の女性への母乳育児支援介入:系統的レビューとメタアナリシス
妊娠糖尿病(GDM)の女性は母乳育児の継続率が低い傾向があります。18件の研究を統合したところ、医療専門家による教育・生活支援・授乳準備の介入が、産後6週・3〜4か月・6か月時点での完全母乳育児率を約2倍に高める可能性が示されました。
出産前の搾乳(授乳前搾乳)が母乳育児に与える効果と安全性:系統的レビューとメタアナリシス
出産前に母乳を搾り貯めておく「授乳前搾乳(ABE)」の効果を調べた10件のランダム化比較試験(計1,672人)をまとめた研究です。ABEを行った母親は、産後72時間以内の授乳開始率が約4倍高く、産後3か月以内の完全母乳育児率も約5倍高い傾向がありました。授乳への自己効力感(自信)も有意に向上しました。一方、早産や新生児集中治療室への入室リスクには差がみられませんでした。
生後6か月間の完全母乳育児が熱性けいれんに与える効果:システマティックレビューとメタアナリシス
13件の研究をまとめたメタアナリシスで、生後6か月間の完全母乳育児を行った子どもは熱性けいれんのリスクが有意に低い傾向が示されました。完全母乳育児ではオッズ比0.65(95%信頼区間0.50〜0.85)と約35%リスクが低く、部分母乳育児でも低下傾向がみられました。ただし、このメタアナリシスに使われた研究は6件と少なく、さらなる研究が必要です。