WAO牛乳アレルギーガイドライン(DRACMA)更新版:乳児・幼児向け代替ミルクに関するシステマティックレビュー
World Allergy Organization (WAO) Diagnosis and Rationale for Action against Cow's Milk Allergy (DRACMA) guideline update – XI – Milk supplement/replacement formulas for infants and toddlers with CMA – Systematic review
どんな研究?
01 — Summary牛乳アレルギー(CMA)の乳幼児に用いる代替ミルク(加水分解ミルク・アミノ酸ミルク・大豆ミルク・米加水分解ミルクなど)を比較した14件のRCTと7件の観察研究をまとめたレビューです。エビデンスの質は概して「非常に低い」ものの、IgE型CMAでは広範加水分解ミルクとアミノ酸ミルクを比較すると、加水分解ミルクのほうがアレルギー寛容を獲得しやすい可能性がある一方、成長においてはアミノ酸ミルクが優れている可能性が示唆されました。最適な選択は個々の状況に応じた判断が必要です。
要点
02 — Key points- 01IgE型CMAでは広範加水分解ミルクがアミノ酸ミルクより耐性獲得率が高い可能性(RR 2.32)
- 02成長面ではアミノ酸ミルクが広範加水分解ミルクより体重・身長が良い傾向(非常に低いエビデンス)
- 03プロバイオティクス添加は耐性獲得に有益な可能性があるが、エビデンスの質が低い
エビデンスの質は全体的に「非常に低い」。比較された介入の多様性と標準化の欠如が限界。対象集団の規模が小さく、比較の種類が限られる。個々のアレルギーの重症度に応じた選択が必要であり、専門医への相談が不可欠。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- システマティックレビュー・メタアナリシス(RCTのまとめ)
- エビデンス強度
- メタアナリシス
- 掲載誌
- World Allergy Organization Journal
- 発表年
- 2024
- DOI
- 10.1016/j.waojou.2024.100947
- 出典
- OpenAlex
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related食物アレルギーの管理:GA2LEN ガイドライン2022年版
161件の研究を評価し、GRADEアプローチを用いて食物アレルギーの診断・管理に関する国際ガイドラインを作成しました。牛乳アレルギーの乳児には加水分解乳(HA乳)またはアミノ酸乳を代替として推奨し、ピーナッツアレルギーの一部の子どもには経口免疫療法(OIT)が選択肢になり得るとしています。食物アレルギーと診断された場合はアレルゲンを避けることを提案していますが、エビデンスの確実性は低いとされています。
牛乳誘発性アレルギー性直腸炎の乳児における管理方針と耐性獲得の関連
牛乳たんぱくによる直腸炎(赤ちゃんの便に血が混じるアレルギー反応)と診断された乳児180人を対象に、どのような対処法が耐性獲得(牛乳を食べられるようになること)に関係するかを調べた後ろ向きコホート研究です。91%の赤ちゃんが最終的に耐性を獲得し、中央値で約31週後に達成されました。複数の食品を同時に除去したり、再導入を遅らせたりすることが耐性獲得を遅くする傾向がありました。
チリの低所得都市部における乳児の牛乳アレルギー有病率:コホート研究
チリの低所得地域で生まれた552人の乳児を1年間追跡した研究で、牛乳アレルギーの有病率は4.9%でした。すべての症例が非IgE型(即時型ではなく遅延型)の症状を示し、74%が生後6か月以内に診断されました。1歳時点で40%の乳児が自然に耐性を獲得していました。