チリの低所得都市部における乳児の牛乳アレルギー有病率:コホート研究
Prevalence of Cow's Milk Allergy in Infants from an Urban, Low-Income Population in Chile: A Cohort Study.
どんな研究?
01 — Summaryチリの低所得地域で生まれた552人の乳児を1年間追跡した研究で、牛乳アレルギーの有病率は4.9%でした。すべての症例が非IgE型(即時型ではなく遅延型)の症状を示し、74%が生後6か月以内に診断されました。1歳時点で40%の乳児が自然に耐性を獲得していました。
要点
02 — Key points- 01牛乳アレルギーの有病率は4.9%で、高所得国の報告と同程度だった
- 02全例が遅延型(非IgE型)で、嘔吐・湿疹・コリック・肛門周囲紅斑などの症状を示した
- 031歳時点で約40%が牛乳に対する耐性を自然に獲得した
単一施設の低所得地域のコホートであり一般化には限界がある。診断は開放型食物負荷試験を含む国際基準に基づくが、非IgE型の診断には主観的要素が伴う。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 前向きコホート研究
- エビデンス強度
- コホート研究
- 掲載誌
- Nutrients
- 発表年
- 2025
- DOI
- 10.3390/nu17111859
- 出典
- Europe PMC
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related牛乳誘発性アレルギー性直腸炎の乳児における管理方針と耐性獲得の関連
牛乳たんぱくによる直腸炎(赤ちゃんの便に血が混じるアレルギー反応)と診断された乳児180人を対象に、どのような対処法が耐性獲得(牛乳を食べられるようになること)に関係するかを調べた後ろ向きコホート研究です。91%の赤ちゃんが最終的に耐性を獲得し、中央値で約31週後に達成されました。複数の食品を同時に除去したり、再導入を遅らせたりすることが耐性獲得を遅くする傾向がありました。
WAO牛乳アレルギーガイドライン(DRACMA)更新版:乳児・幼児向け代替ミルクに関するシステマティックレビュー
牛乳アレルギー(CMA)の乳幼児に用いる代替ミルク(加水分解ミルク・アミノ酸ミルク・大豆ミルク・米加水分解ミルクなど)を比較した14件のRCTと7件の観察研究をまとめたレビューです。エビデンスの質は概して「非常に低い」ものの、IgE型CMAでは広範加水分解ミルクとアミノ酸ミルクを比較すると、加水分解ミルクのほうがアレルギー寛容を獲得しやすい可能性がある一方、成長においてはアミノ酸ミルクが優れている可能性が示唆されました。最適な選択は個々の状況に応じた判断が必要です。
食物アレルギーの管理:GA2LEN ガイドライン2022年版
161件の研究を評価し、GRADEアプローチを用いて食物アレルギーの診断・管理に関する国際ガイドラインを作成しました。牛乳アレルギーの乳児には加水分解乳(HA乳)またはアミノ酸乳を代替として推奨し、ピーナッツアレルギーの一部の子どもには経口免疫療法(OIT)が選択肢になり得るとしています。食物アレルギーと診断された場合はアレルゲンを避けることを提案していますが、エビデンスの確実性は低いとされています。