妊娠中のパートナーからの暴力(DV)が母親のメンタルヘルスと子どもの発達に与える影響:ベトナムのコホート研究
Impact of intimate partner violence during pregnancy on maternal mental health and child development: a birth cohort study in central Vietnam
どんな研究?
01 — Summary妊娠中にパートナーから暴力(DV)を受けた母親から生まれた赤ちゃんは、6か月時点で発達の遅れ(特にコミュニケーション面)が約2.4倍多いことが示されました。DVを経験した母親は産後うつのリスクも高く、子どもへの影響が懸念されます。妊婦健診でのDVスクリーニングと支援の重要性が示唆されています。
要点
02 — Key points- 01DVを経験した妊婦(18.9%)から生まれた子は6か月時の発達遅れリスクが約2.4倍(RR 2.43、95%CI 1.08-5.48)
- 02発達遅れはコミュニケーション(10.9%)が最も多かった
- 03産後うつとDVの関連は妊娠中うつを調整すると消失した
サンプル数が285組と比較的小さく、ベトナム・フエ市の単一コミュニティのデータであり、他地域への一般化には注意が必要。観察研究であり因果関係は証明できない。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- コミュニティベースのコホート研究
- エビデンス強度
- コホート研究
- 掲載誌
- Osong Public Health and Research Perspectives
- 発表年
- 2025
- DOI
- 10.24171/j.phrp.2025.0178
- 出典
- OpenAlex
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related妊娠中・産後のDV曝露と2〜3歳の子どもの脳皮質構造との関連:南アフリカDrakensteinコホート
妊娠中や産後にパートナーからの暴力(DV)にさらされると、2〜3歳の子どもの大脳皮質の厚さが厚くなる傾向があることが示されました。これはストレスが脳の発達に影響を与えている可能性を示唆しますが、意味は複雑で、発達上の困難との関連はまだ明確ではありません。男女で異なる影響パターンも見られました。
母親の心理的ストレスと4歳児の神経発達との関連:東北メディカル・メガバンクコホート研究
妊娠中や産後のお母さんの心理的ストレス(うつや不安など)は、子どもの4歳時点での発達の遅れと関連していることがわかりました。産後のストレスはコミュニケーション・運動・問題解決など全領域の遅れと関連し、妊娠中のストレスは言葉の発達の遅れと関連していました。7646組の母子を対象にした日本の大規模コホート研究です。
親密なパートナーからの暴力(DV)への曝露と乳児の発達遅延との関係:産後6週の女性のエンパワメントの調整効果
低・中所得国で行われた研究で、産後のDV(親密なパートナーからの暴力)への曝露と生後6週の乳児の発達遅延の関係を397人の母子で調べました。DVへの曝露は乳児の複数の発達領域で遅延と関連していましたが、女性のエンパワメント(自律性・意思決定力)が高い場合、この悪影響が和らぐ傾向がありました。