幼稚園児の考える・感じる・動く:運動能力が女児の実行機能と感情理解を形成する
Thinking, Feeling, and Moving in Kindergarten Children: How Motor Competence Shapes Executive Function Skills and Emotion Comprehension in Girls
どんな研究?
01 — Summary220人の幼稚園児を対象に、運動能力・実行機能・感情理解の関係を1年間追跡した研究です。女児では、運動能力が高い子どもほど実行機能(特に認知的柔軟性)と後の感情理解の結びつきが強くなる傾向が見られました。身体を動かすことが、考える力や感情を理解する力の発達にも関係している可能性が示唆されています。
要点
02 — Key points- 01女児では、高い運動能力が認知的柔軟性と感情理解の関連を強める効果(調整効果)が確認された(p=0.011)
- 02男児では運動能力による同様の調整効果は見られなかった
- 03スクリーンタイムの増加が身体活動・社会的交流・屋外遊びを減らし、認知・感情・運動発達のリスクとなる可能性が指摘された
1施設の観察研究であり、220人という比較的小規模な標本です。男女差が見られましたが、その理由の解明には追加研究が必要です。観察研究であり運動介入が感情理解を改善するかの因果関係は示されていません。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 縦断観察研究
- エビデンス強度
- 観察研究
- 掲載誌
- Children
- 発表年
- 2025
- DOI
- 10.3390/children12101381
- 出典
- OpenAlex
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related未就学児における実行機能(go/no-goテスト)と身体活動・体力の関係
日本の長野県で3〜5歳の未就学児51人を対象に、身体活動(歩数・運動強度)と体力(バランス・筋力・持久力)、実行機能(go/no-goテスト)の関連を調べた研究です。go/no-goテストのエラー数は、片足立ちのバランス、6分間歩行、運動歩数と有意な負の相関を示しました。身体的な能力が高い子どもほど実行機能も良好な傾向が見られました。
ADHD児の実行機能に対するさまざまな運動・身体活動介入の効果:スコーピングレビュー
ADHDと診断された6〜12歳の子どもを対象にした55件の介入研究(計3863名)を統合したスコーピングレビューです。水泳やサッカーなどの構造化スポーツや、認知課題を組み合わせた運動(エクサゲームを含む)が、抑制制御・ワーキングメモリ・認知的柔軟性の改善と関連していました。運動の強度・時間・認知的な要素が介入の効果に影響する可能性が示唆されています。
ADHDの子どもの実行機能に対するさまざまな身体活動の効果:システマティックレビュー・メタアナリシス
ADHDの子ども915人を対象とした21件のRCTをまとめたメタアナリシスです。身体活動全般がADHDの子どもの実行機能(抑制・柔軟性・ワーキングメモリ)を有意に改善することが示されました。特に、オープンスキル系の運動(球技・格闘技など)が抑制機能の改善に最も効果的で、週6週間以上・中〜高強度の実施がより効果的でした。