ADHD児の実行機能に対するさまざまな運動・身体活動介入の効果:スコーピングレビュー
Effects of Different Physical Activity Approaches on Executive Functions in Primary School Children with ADHD: A Scoping Review with Methodological Reflections.
どんな研究?
01 — SummaryADHDと診断された6〜12歳の子どもを対象にした55件の介入研究(計3863名)を統合したスコーピングレビューです。水泳やサッカーなどの構造化スポーツや、認知課題を組み合わせた運動(エクサゲームを含む)が、抑制制御・ワーキングメモリ・認知的柔軟性の改善と関連していました。運動の強度・時間・認知的な要素が介入の効果に影響する可能性が示唆されています。
要点
02 — Key points- 01急性・慢性の身体活動介入はADHD児の実行機能(とくに抑制制御)の改善と関連していた
- 02認知的な要素を含む運動(エクサゲーム・複合トレーニング)がとくに効果的な可能性がある
- 03研究間のデザインのばらつきが大きく、効果の比較や一般化には限界がある
スコーピングレビューであり、メタアナリシスによる定量的統合は行われていない。研究間のデザイン・アウトカム指標の多様性が大きく、標準化された比較が困難。サンプルサイズが小さい研究が多く、バイアスリスクが高い。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- スコーピングレビュー
- エビデンス強度
- メタアナリシス
- 掲載誌
- Behavioral sciences (Basel, Switzerland)
- 発表年
- 2026
- DOI
- 10.3390/bs16050703
- 出典
- Europe PMC
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — RelatedADHDの子どもの実行機能に対するさまざまな身体活動の効果:システマティックレビュー・メタアナリシス
ADHDの子ども915人を対象とした21件のRCTをまとめたメタアナリシスです。身体活動全般がADHDの子どもの実行機能(抑制・柔軟性・ワーキングメモリ)を有意に改善することが示されました。特に、オープンスキル系の運動(球技・格闘技など)が抑制機能の改善に最も効果的で、週6週間以上・中〜高強度の実施がより効果的でした。
幼児期の身体活動と自己調整能力の発達:システマティックレビュー・メタアナリシス
就学前の幼児を対象に、身体活動と自己調整能力(衝動を抑えて行動をコントロールする力)の関係を調べた15件の横断研究をまとめました。メタアナリシスの結果、身体活動と自己調整能力のあいだには小さいながら有意な正の関連が見られました(r = 0.10)。ただし、研究間のばらつきが非常に大きく、結果の解釈には注意が必要です。
個人の時間・親の公平さ・学校適応・身体活動量と子ども・青少年の実行機能の関連
10〜17歳の子ども・青少年943人を対象とした横断研究で、身体活動量が多く(スクリーンタイムが少なく)、自分の時間が十分にあり、親が公平だと感じ、学校に適応していると感じる子どもほど、注意・認知的柔軟性・抑制・作動記憶などの実行機能が高い傾向がありました。生活習慣と実行機能の関連の一部は、生活の質(QOL)が媒介していました。