ASD児に対する乗馬介助活動の心理社会的効果についての保護者の認識:日本における現象学的研究
Parental perceptions of the psychosocial outcomes of equine-assisted activities and therapies for children with autism spectrum disorder in Japan: a phenomenological study
どんな研究?
01 — Summary自閉スペクトラム症(ASD)の子どもが乗馬支援活動(EAAT)に6か月以上参加した日本の保護者10人にインタビューした定性的研究です。子どもには「身体と心の調和の習得」「絆の形成」「自立心や交流の促進」「回復力とコミュニケーション力の向上」という4段階の発達が見られたと報告されています。保護者自身も乗馬への参加を通じて幸福感や家族のつながりを感じた可能性が示されましたが、参加者が10人と少なく、保護者の主観的評価に基づくため、効果の確認にはさらなる研究が必要です。
要点
02 — Key points- 01保護者は、子どものコミュニケーション力や自立心、回復力の向上を感じていた
- 02保護者自身も乗馬への参加を通じて幸福感や家族の結束感を報告した
- 03参加者10名の質的研究であり、効果の一般化には限界がある
保護者10名を対象とした小規模な定性研究であり、因果関係の証明はできない。対照群がなく、保護者の主観的報告に依存しているため、選択バイアスが生じやすい。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 現象学的質的研究
- エビデンス強度
- 総説・その他
- 掲載誌
- International Journal of Qualitative Studies on Health and Well-Being
- 発表年
- 2025
- DOI
- 10.1080/17482631.2025.2585638
- 出典
- OpenAlex
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related自閉症の子どもと若者の発達支援における最新知見
自閉スペクトラム症(ASD)の子どもと若者における発達的な軌跡と介入支援の最新エビデンスをまとめたレビュー論文です。コホート研究により、早期の発達スキルと適応力が重要であることが示されており、介入研究では発達的アウトカムに一定の効果が確認されています。一方、当事者が重視するのは受け入れられること・意味ある社会参加であり、自閉症の当事者視点を支援の目標に組み込むことの重要性が強調されています。
自閉スペクトラム症の子どもへの身体活動介入が粗大・微細運動に与える効果:メタアナリシス
自閉スペクトラム症(ASD)の子ども(2〜16歳)を対象とした44件の研究・1311人のデータをメタアナリシスで統合しました。身体活動への介入は、走る・跳ぶなどの粗大運動に中〜大きな効果をもたらす傾向がありました(効果量g=0.87)。一方、鉛筆を握るなどの微細運動への効果は有意ではありませんでした。教育者やコーチによる集団介入が最も効果的でした。
運動介入は小脳回路を通じて自閉スペクトラム症の中核症状を改善する:白質ネットワークへの影響
自閉スペクトラム症(ASD)の子ども(特別支援学校の児童)を対象に、12週間のミニバスケットボールプログラム(運動介入)が中核症状と脳の白質ネットワークに与える影響をランダム化比較試験で検討した研究です。介入群では社会性などの中核症状が改善し、脳内の情報伝達効率も向上した傾向が見られました。とくに小脳の特定領域(左第9小葉)の変化が症状改善と関連していました。ASDの子どもへの運動介入が脳のネットワーク再編を介して症状をやわらげる可能性が示されています。