コホート研究

乳児期の疝痛(コリック)と過度の泣きは、小児期・思春期の食物アレルギーと関連する

Associations of Colic and Excessive Crying in Infancy with Food Allergy Outcomes in Childhood and Adolescence.

どんな研究?

01 — Summary

Project Vivaコホートで追跡した1263人の子どもを対象に、乳児期のコリック(あやしても止まらない泣き+腹部不快感)が、その後の食物アレルギーと関係するかを調べました。コリックがあった乳児は幼児期から思春期にかけて食物アレルギーのリスクが高く、ピーナッツや木の実アレルギーのリスクが約2倍以上になる可能性がありました。コリックは食物アレルギーリスクの早期サインかもしれません。

要点

02 — Key points
  • 01コリックがあった乳児は幼児期の食物アレルギーリスクが約1.7倍(95%CI 1.1-2.7)
  • 02思春期初期ではピーナッツアレルギーリスク2.1倍、木の実アレルギーリスク2.6倍
  • 03ただの「泣きすぎ」(コリックでない)は食物アレルギーと関連しなかった
読むときの注意 / Limitations

コリックと食物アレルギーはいずれも親の報告によるため、思い出しバイアスが生じる可能性があります。観察研究であり関連であって因果ではありません。コリックの原因が食物アレルギーによる腸の炎症である可能性も否定できませんが、この研究では確認できていません。

この研究の確からしさ

03 — Evidence
コホート研究多くの人を追跡する観察研究。因果関係の証明は限定的。

書誌情報

04 — Reference
研究デザイン
前向きコホート研究
エビデンス強度
コホート研究
掲載誌
The Journal of Pediatrics
発表年
2026
DOI
10.1016/j.jpeds.2026.115111
出典
Europe PMC

この研究が関わる疑問

05 — Questions

関連する研究

06 — Related
2026 · システマティックレビュー・メタアナリシス(観察研究のまとめ)メタアナリシス

乳児の疝痛(コリック)と腸の炎症の関わり(システマティックレビュー・メタアナリシス)

赤ちゃんの疝痛(コリック)に、腸の軽い炎症が関わっているかを、8件の研究からまとめたものです。便の中の炎症の目印(カルプロテクチン)を調べた研究を統合したところ、疝痛のある赤ちゃんではこの目印がやや高い傾向がみられました。腸の状態と疝痛のつながりを示す材料の一つとされています。

2026 · 横断的観察研究観察研究

疝痛(コリック)のある乳児と健康な乳児における血清グレリン・モチリン・β-エンドルフィン値の比較(レバノン)

レバノンで68人の乳児を対象に、疝痛(コリック)がある子とない子のホルモン値を比較した研究です。疝痛のある乳児では空腹ホルモン「グレリン」が高い傾向がみられ、特に診断基準をすべて満たす群で有意に高い値でした。一方、モチリンやβ-エンドルフィンの差は統計的に有意ではありませんでした。この結果から、胃腸の運動亢進がコリックの一因となる可能性が示唆されます。

2025 · 予備的研究(単一群・対照なし)観察研究

乳児の疝痛(コリック)に対する、シメチコンと加熱処理した Bacillus coagulans の混合剤の効果:予備的研究

疝痛(コリック)の赤ちゃん41人に、シメチコンと加熱処理した菌(Bacillus coagulans)の混合剤を28日間与えた予備的な研究です。89%の赤ちゃんで泣く時間が半分以上に減り、睡眠や保護者の生活の質も改善したと報告されています。ただし比較する対照群がない小規模な研究のため、効果を確認するにはさらなる検証が必要です。