超低出生体重児への完全母乳食の成長・安全性評価:日本における第III相ランダム化比較試験
Growth and safety evaluation in very low birth weight infants receiving an exclusive human milk diet: a phase III randomized control trial in Japan
どんな研究?
01 — Summary体重1500g未満の超低出生体重児147人を対象に、完全母乳食(母乳・ドナーミルク+母乳由来の強化剤)と標準食(母乳・ドナーミルク+牛乳由来の強化剤)を比較した日本のRCTです。完全母乳食群は体重増加速度が有意に優れ(13.44対11.96 g/kg/日)、完全栄養摂取に至るまでの日数も短くなりました(20.0対25.9日)。有害事象の発生率に有意差はありませんでした。
要点
02 — Key points- 01完全母乳食群は標準食群より体重増加速度が有意に高かった(p=0.006)
- 02完全栄養摂取達成日数が有意に短かった(20.0日対25.9日)
- 03安全性(有害事象発生率)に有意差はなかった
超低出生体重児という特殊な集団を対象としており、通常の早産児・正期産児への適用は限られます。オープン試験(盲検化なし)のため、バイアスのリスクがあります。日本での単施設に近い試験です。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- ランダム化比較試験(第III相)
- エビデンス強度
- ランダム化比較試験
- 掲載誌
- Journal of Perinatology
- 発表年
- 2026
- DOI
- 10.1038/s41372-026-02695-w
- 出典
- OpenAlex
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related超低出生体重児・極低出生体重児の管理:ウォーターベッド型ネストと母乳ケアの継続改善が生活の質・神経行動発達に与える影響
超低・極低出生体重児(体重1,500g未満)103人を対象に、ウォーターベッド型ネスト(水を使った揺りかご状のベッド)と母乳ケアの質改善を組み合わせた管理と、通常管理を比較した後ろ向き研究です。組み合わせた介入を受けた群では、体重増加率・頭囲・神経行動発達のスコアが良好で、アルブミンなどの栄養指標も改善する傾向がみられました。
早産・低出生体重児の在宅ケアを支援する介入:親・家族・養育者へのシステマティックレビューとメタアナリシス
早産や低出生体重で生まれた赤ちゃんを自宅でケアする親・家族を支援する介入の効果を、47件の研究をまとめて調べました。支援プログラムは乳児の死亡率の改善、母乳育児の促進、赤ちゃんの認知発達の向上、そして親のストレス・うつの軽減につながる可能性が示されました。ただし、多くの研究でエビデンスの確実性は低〜非常に低い水準でした。
超低出生体重早産児の退院後授乳による成長・母乳摂取量:システマティックレビュー
超低出生体重(1500g未満)の早産児を対象に、退院後の母乳強化(栄養添加)や早産児用ミルクの効果を調べた4件の研究をまとめました。強化した母乳を与えたグループでは体重増加や頭囲の改善が見られた研究があり、母乳摂取量は維持されやすい傾向がありました。ただし、研究間の方法やアウトカムが異なるため、結果の解釈は慎重に行う必要があります。