エクアドルにおける乳幼児の「三重栄養問題」(低栄養・過体重・微量栄養素欠乏)のパターン:全国代表サンプル調査
Patterns of the triple burden of childhood malnutrition in Ecuador by age, sex, ethnicity, and poverty: a cross-sectional population survey.
どんな研究?
01 — Summaryエクアドルで5歳未満の子ども約130万人を対象にした全国調査によると、発育不良(低身長)や消耗症(やせ)が17.1%、過体重が4.9%、貧血が14.8%に見られ、低栄養と過体重が同時に存在する「三重栄養問題」が特に3歳未満の先住民族・アフロ系エクアドル人の男の子に集中していました。貧困や社会的不平等が子どもの栄養状態と密接に関連しており、早期からの包括的な支援の重要性が示されました。
要点
02 — Key points- 015歳未満の子どもの17.1%に発育不良・消耗症、4.9%に過体重、14.8%(6〜59か月)に重度貧血が見られた
- 02低栄養と過体重の同時存在は0.6%(約7760人)で、3歳未満の先住民族男の子に多かった
- 03貧困・民族・性別が栄養問題のパターンと強く関連しており、社会的不平等が反映されていた
横断的研究であり因果関係は示せません。エクアドル特有の社会・経済・環境条件を反映した結果であり、他の国(日本など)への直接的な一般化はできません。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 横断的全国代表サンプル調査
- エビデンス強度
- 観察研究
- 掲載誌
- The Lancet Regional Health - Americas
- 発表年
- 2026
- DOI
- 10.1016/j.lana.2026.101501
- 出典
- Europe PMC
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related子どもと青少年における食品・食品群の摂取と過体重・肥満リスクの関連:システマティックレビューとメタアナリシス
2〜19歳の子ども・青少年を対象にした縦断研究23件のレビューとメタアナリシスで、加糖飲料(砂糖入り飲料)の摂取は体重増加と正の関連があることが示されました。超加工食品も肥満リスクと関連する可能性がありますが、高脂肪乳製品は逆に肥満リスクと負の関連を示した研究もありました。ただし、いずれのエビデンスの確実性も「低い〜非常に低い」と評価されました。
低栄養リスク・低栄養の幼児への経口栄養補助食品が成長・体組成に与える影響:多施設RCT(MARVELスタディ)
タイで実施した多施設RCTで、体重が基準より低い1〜6歳の子ども159名を対象に、栄養カウンセリングのみ(対照群)と牛乳由来の経口栄養補助食品(ONS)を加えた群を比較しました。3か月後、ONS群のほうが体重・身長・除脂肪体重の増加が有意に大きく、ONSが低栄養児の成長改善に役立つ可能性が示されました。
英国の南アジア系・黒人系の子どもにおける脂肪量の多さと乳幼児期の成長・社会経済状況の関連
英国のミレニアムコホート研究(約1万4000人)で、南アジア系(インド・パキスタン・バングラデシュ)・黒人系の子どもは白人系と比べて、乳幼児期の身長・体重の増え方が不利な傾向があり、7歳時点の体脂肪量が多い傾向があることが示されました。この体脂肪の差には乳幼児期の成長の不利と低い社会経済状況が関係しており、将来の2型糖尿病リスクの一因となる可能性があります。