大気汚染と小児の呼吸器疾患の発症:スコーピングレビュー
Air pollution and the development of respiratory diseases in the pediatric age: a scoping review
どんな研究?
01 — Summary2013〜2024年の22の研究をまとめたスコーピングレビューでは、PM2.5などの大気汚染物質への曝露が子どもの急性(咳・喘鳴・肺炎)および慢性(ぜんそく・アレルギー性鼻炎)の呼吸器疾患リスクと関連していることが示されました。特に胎児期や乳幼児期の曝露は肺の発育に長期的な影響をもたらす可能性があります。社会経済的な格差もリスクに影響します。
要点
02 — Key points- 01PM2.5など大気汚染物質は子どもの急性・慢性呼吸器疾患と関連
- 02胎児期・乳幼児期の曝露は生涯にわたる肺機能に影響しうる
- 03低所得国や社会経済的に不利な環境の子どもでリスクが高い
スコーピングレビューであり系統的なバイアス評価は行われていない。対象文献が限られた言語・データベースに偏っている。因果関係は証明できない。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- スコーピングレビュー
- エビデンス強度
- メタアナリシス
- 掲載誌
- Epidemiology Biostatistics and Public Health
- 発表年
- 2025
- DOI
- 10.54103/2282-0930/28585
- 出典
- OpenAlex
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related交通関連大気汚染・気候要因・緑地の複合影響と乳児の呼吸器疾患リスク
妊娠中の交通関連大気汚染(PM2.5・NO2)と高温への曝露は、乳児の呼吸器疾患リスクを高める傾向があることが示されました。特に妊娠初期の複合曝露が問題で、住宅周辺の緑地が多いとそのリスクが低くなる可能性があります。ただし観察研究であり、因果関係の断定はできません。
妊娠中の大気中の微小粒子(PM)と、正期産での低出生体重(システマティックレビュー・メタアナリシス)
妊娠中のお母さんが大気中の微小な粒子(PM2.5・PM10などの粒子状物質)にどれくらいさらされたかと、生まれた赤ちゃんの体重との関係を、61件の研究(15か国・約3450万人の出産)からまとめたものです。粒子へのさらされ方が多いほど、十分な週数で生まれても体重が軽い(正期産低出生体重)リスクがやや高くなる関連が見られました。
妊娠初期の山火事由来PM2.5への曝露は、喘息を持つ母親の子どもの肺機能と関連する
妊娠中に山火事由来の微小粒子状物質(PM2.5)に多く曝露された場合、生後6週時点での乳児の肺機能への影響が示唆されました。特に喘息を持つ母親の子どもに影響が見られる可能性があります。6歳時点での気道測定でも関連が示されており、妊娠早期の大気汚染曝露が子どもの呼吸器の発達に影響する可能性が示されています。