乳児栄養とアレルギー:補完食の時期と母乳育児の影響
Infant nutrition and allergy
どんな研究?
01 — Summary過去数十年でぜんそくやアトピー性皮膚炎・食物アレルギーが増加し、その背景に乳幼児期の食事が関与する可能性があります。レビューによると、母乳育児はアトピー性皮膚炎や乳幼児の喘鳴を予防する効果がある可能性があります。一方、生後6か月以降に補完食を遅らせても、アレルギー疾患を有意に予防するとは言えないという証拠も示しています。
要点
02 — Key points- 01母乳育児がアトピー性皮膚炎や乳幼児の喘鳴を予防する可能性がある
- 02生後4か月前の補完食導入はアトピー性皮膚炎リスクを高める可能性
- 036か月以降へ補完食を遅らせることの追加的なアレルギー予防効果は現時点では不明確
レビュー論文であり、各研究のデザインや対象集団が異なるため、結論の確実性は限られる。アレルギー疾患の定義が研究ごとに異なる。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- レビュー
- エビデンス強度
- 総説・その他
- 掲載誌
- Proceedings of The Nutrition Society
- 発表年
- 2011
- DOI
- 10.1017/s0029665111003089
- 出典
- OpenAlex
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related生後6か月間の部分加水分解ミルクは、5歳までの食物アレルギーとアトピー性皮膚炎のリスクを下げる可能性がある
アレルギーリスクの高い乳児551人を対象に、部分加水分解ミルク(pHF)と通常の調製乳(SF)を比較した多施設二重盲検RCTの5年フォローアップ研究です。生後6か月間にpHFを飲んだ群では、5歳までのアトピー性皮膚炎の発症率(22.1%対38.5%)と食物アレルギーの発症率(10.5%対20.4%)が有意に低く、特に1〜5歳での食物アレルギーでは87%のリスク低下がみられました。
プレバイオティクス(オリゴ糖)と、乳児のアトピー性皮膚炎の予防(ランダム化比較試験)
アレルギー体質になりやすい家系の赤ちゃん(ミルク栄養)を対象に、腸内細菌のえさになる「プレバイオティクス(オリゴ糖)」を加えたミルクと、加えないミルク(偽薬)にランダムに分け、生後6か月までのアトピー性皮膚炎の発症を比べた研究です。オリゴ糖を加えたグループは、発症が9.8%と、加えないグループの23.1%より少なくなりました。腸内環境を整えることが、アレルギーの予防に役立つ可能性を示しています。
イランにおける食物アレルギーの有病率とアトピー性皮膚炎との関連:PERSIANコホート
イランの4都市で生まれた子どもたちを24か月まで追跡した出生コホート研究で、食物アレルギー(FA)の累積発生率は24か月時点で7.7%と、過去の中東の報告より高い水準でした。また、母乳を与えられた子どもではFAの発生率が5%だったのに対し、出生後に母乳を一切与えられなかった子どもでは13%と高く、母乳育児がFA発症を抑える可能性が示されました。