生後6か月間の部分加水分解ミルクは、5歳までの食物アレルギーとアトピー性皮膚炎のリスクを下げる可能性がある
Nutritional intervention with a partially hydrolyzed formula during the first 6 months of life may reduce the risk of food allergy and atopic dermatitis up to the age of 5 years
どんな研究?
01 — Summaryアレルギーリスクの高い乳児551人を対象に、部分加水分解ミルク(pHF)と通常の調製乳(SF)を比較した多施設二重盲検RCTの5年フォローアップ研究です。生後6か月間にpHFを飲んだ群では、5歳までのアトピー性皮膚炎の発症率(22.1%対38.5%)と食物アレルギーの発症率(10.5%対20.4%)が有意に低く、特に1〜5歳での食物アレルギーでは87%のリスク低下がみられました。
要点
02 — Key points- 01pHF群は通常ミルク群と比べて5歳までの食物アレルギーリスクが約半減した(RR 0.53)
- 02アトピー性皮膚炎リスクも有意に低下した(RR 0.58)
- 031〜5歳期間の食物アレルギーリスクは87%低下した(RR 0.13)
アレルギーリスクが高い非完全母乳育児の乳児に限定した結果であり、一般の乳児や完全母乳育児の場合への適用は不明です。5年フォローアップでの脱落(17%)の影響もあります。また、pHFの種類によって効果は異なる可能性があります。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 多施設二重盲検ランダム化比較試験(フォローアップ)
- エビデンス強度
- ランダム化比較試験
- 掲載誌
- Pediatric Allergy and Immunology
- 発表年
- 2026
- DOI
- 10.1111/pai.70354
- 出典
- OpenAlex
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related赤ちゃん・子どもの食物アレルギーの危険因子(システマティックレビュー・メタアナリシス)
40か国・約280万人を対象にした190件の研究をまとめ、子どもの食物アレルギーがどれくらい起こるか、何が関わるかを調べた大規模なレビューです。食べ物で症状を確かめた研究では、食物アレルギーはおよそ4.7%に見られました。最も確かな関わりが示されたのは、乳児期のアトピー性皮膚炎(湿疹)など、すでにあるアレルギー体質でした。
プレバイオティクス(オリゴ糖)と、乳児のアトピー性皮膚炎の予防(ランダム化比較試験)
アレルギー体質になりやすい家系の赤ちゃん(ミルク栄養)を対象に、腸内細菌のえさになる「プレバイオティクス(オリゴ糖)」を加えたミルクと、加えないミルク(偽薬)にランダムに分け、生後6か月までのアトピー性皮膚炎の発症を比べた研究です。オリゴ糖を加えたグループは、発症が9.8%と、加えないグループの23.1%より少なくなりました。腸内環境を整えることが、アレルギーの予防に役立つ可能性を示しています。
離乳期に毎日卵を食べると、食物アレルギーの感作が減るかもしれない(南アフリカの乳児を対象としたランダム化比較試験)
生後6〜9か月の乳児500人を、毎日1個の卵を6か月間食べるグループと食べないグループにランダムに分けて、食物アレルギーのなりやすさ(感作)を比べた研究です。卵そのものへの感作は両グループでほとんど差がありませんでしたが、いくつかの代表的な食物への感作をまとめると、卵を食べたグループのほうが少ない傾向(7.5%対12.9%)がみられました。離乳期に卵を取り入れることが、食物アレルギーの予防に役立つ可能性を示しています。