母乳育児と食物アレルギーリスクの関係:日本の全国出生コホート研究
Breastfeeding and risk of food allergy: A nationwide birth cohort in Japan
どんな研究?
01 — Summary日本の21世紀出生コホート調査データ(46,616人)をもとに、乳児期の授乳方法(完全母乳・初乳のみ含む部分母乳・ミルクのみ)と食物アレルギーの関係を調べた研究です。湿疹がある乳児では部分母乳(初乳のみ含む)が食物アレルギーリスクを下げる傾向がみられた一方、湿疹のない乳児では完全母乳育児が食物アレルギーリスクをむしろ高める傾向が示されました。授乳方法と食物アレルギーの関係は湿疹の有無によって異なる可能性があります。
要点
02 — Key points- 01湿疹がある乳児では部分母乳(初乳含む)が食物アレルギーリスクを低下(RR=0.66)
- 02湿疹のない乳児では完全母乳がリスクを高める傾向(RR=2.41)
- 03授乳方法と食物アレルギーの関係は子どもの湿疹状態によって方向が変わる
観察研究であり関連であって因果ではない。後ろ向きコホートで情報バイアスの可能性がある。授乳期間の定義や交絡因子の調整に限界がある。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- コホート研究
- エビデンス強度
- コホート研究
- 掲載誌
- Allergology International
- 発表年
- 2019
- DOI
- 10.1016/j.alit.2019.08.007
- 出典
- OpenAlex
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related乳児期の授乳・離乳食と6歳時の食物アレルギーの関係
米国の乳幼児期授乳実態研究の追跡調査で、6歳の食物アレルギー有病率を調べました。6歳児の約6.3%に食物アレルギーが認められ、社会経済的要因・家族歴・湿疹の既往が主な関連要因でした。生後4か月以上の完全母乳育児は、ハイリスクでない子での新規食物アレルギー発症を減らす傾向がありましたが、統計的に有意ではありませんでした。
赤ちゃん・子どもの食物アレルギーの危険因子(システマティックレビュー・メタアナリシス)
40か国・約280万人を対象にした190件の研究をまとめ、子どもの食物アレルギーがどれくらい起こるか、何が関わるかを調べた大規模なレビューです。食べ物で症状を確かめた研究では、食物アレルギーはおよそ4.7%に見られました。最も確かな関わりが示されたのは、乳児期のアトピー性皮膚炎(湿疹)など、すでにあるアレルギー体質でした。
離乳食を始める時期と、食物アレルギー・湿疹・ぜんそく・アレルギー性鼻炎(システマティックレビュー)
米国政府(USDA・保健省)のプロジェクトの一環として、離乳食(母乳・ミルク以外の食べ物)を始める時期と、子どもの食物アレルギー・アトピー性皮膚炎(湿疹)・ぜんそく・アレルギー性鼻炎との関係を調べたシステマティックレビューです。離乳食を始める年齢と、これらのアレルギーの起こりやすさとの間には関係がない、という中くらいの確かさの結論が示されました。