乳幼児期のペット(犬・猫)の飼育と子どもの発達:日本環境と子どもの健康調査
Cat and Dog Ownership in Early Life and Infant Development: A Prospective Birth Cohort Study of Japan Environment and Children's Study
どんな研究?
01 — Summary日本の大規模出生コホート研究(JECS)の78,868名のデータを用いて、生後6ヵ月時点での犬・猫の飼育と12ヵ月時点の発達との関係を調べた研究。犬を飼っている家庭では、コミュニケーション・粗大運動・微細運動・問題解決・個人-社会の全5領域で発達遅延のリスクが有意に低かった(例:コミュニケーション遅延のOR=0.73)。猫については有意な関連は見られなかった。
要点
02 — Key points- 01犬を飼っている乳児は12ヵ月時点の全5発達領域で遅延リスクが低い傾向(コミュニケーション:OR=0.73、粗大運動:OR=0.86)
- 02猫の飼育は発達との有意な関連が見られなかった
- 03日本の大規模コホート(約7万9千人)による観察研究
観察研究のため、犬の飼育と発達の良さの関連は因果関係を示すものではない。犬を飼える家庭は社会経済的に安定している可能性があり、交絡因子の影響を完全には除けない。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 前向きコホート研究
- エビデンス強度
- コホート研究
- 掲載誌
- International Journal of Environmental Research and Public Health
- 発表年
- 2019
- DOI
- 10.3390/ijerph17010205
- 出典
- OpenAlex
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related家庭で犬を飼うことと、幼い子どもの発達の関係(日本のエコチル調査)
日本の大規模調査「エコチル調査」の約7万9千人を対象に、家庭で犬を飼っていることと、3歳時点の子どもの発達との関係を調べた研究です。犬を飼ったことがある家庭の子どもは、コミュニケーション・体を使う運動・問題解決・人とのかかわりといった面で、発達の遅れがみられる割合がやや低い傾向がありました。ペットとのふれあいが、子どもの育ちによい影響をもつ可能性を示しています。
社会経済的格差と育児習慣が乳児の神経発達に与える影響:中国の前向き出生コホート研究
中国の4791人の乳幼児を追跡した大規模コホート研究で、家庭の社会経済的地位(SES)と1歳時点の発達の関連を調べました。SESが低い家庭の子どもは、特に言葉を理解する力(受容性コミュニケーション)の遅れるリスクが約1.4倍高い傾向がありました。6か月以上の授乳・適切な睡眠・毎日の外遊び・スクリーンタイムなしという「健康的な育児習慣スコア」が高いほど発達リスクは低く、SESの格差の一部(約6%)を説明していました。高SESの家庭でも育児習慣が悪いと発達遅延リスクが30%近く上昇していました。
コロナ前・禍中・禍後における子どもの言語・社会情緒発達:オランダYOUthコホートより
生後5か月〜4歳の子ども2,166人を対象に、コロナ前(2015〜2020年)・禍中(2020〜2022年)・禍後(2022〜2023年)に分けて言語・社会情緒発達を比べた大規模コホート研究(オランダ)です。禍中の子どもは語彙や社会情緒の発達スコアが低い傾向がみられましたが、禍後には一部の指標で回復がみられました。コロナ禍の社会的制限が幼児期の発達に影響を及ぼした可能性を示しています。