スキン・トゥ・スキン(肌と肌の触れ合い)の9段階:4か国からの実践的ガイドラインと知見
The nine stages of skin‐to‐skin: practical guidelines and insights from four countries
どんな研究?
01 — Summary出生直後の肌と肌の触れ合い(カンガルーケア)を支持するエビデンスは確立されており、母子双方のアウトカムを改善することが示されています。本研究では、日本・スウェーデン・イタリア・米国の4か国のデータを比較し、新生児が出生後1時間以内に示す9段階の行動パターン(泣き声・弛緩・覚醒・活動・休息・這い寄り・親しみ・吸啜・眠り)の詳細なタイミングを明らかにしました。この9段階の行動は4か国すべてで共通して観察されたと報告されています。
要点
02 — Key points- 01出生直後の肌と肌の触れ合いの効果を支持するエビデンスは複数の研究で確認されている
- 02新生児の行動パターンは日本・スウェーデン・イタリア・米国の4か国で共通する9段階として整理された
- 03各段階のタイミングに関する統合データが示され、臨床での観察・研究の参考になる
各段階のタイミングに関するデータは4データセットのみで、出生環境や医療介入の違いが影響する可能性があります。観察研究のまとめであり、因果関係は確立されていません。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 観察研究の比較分析
- エビデンス強度
- 観察研究
- 掲載誌
- Maternal and Child Nutrition
- 発表年
- 2020
- DOI
- 10.1111/mcn.13042
- 出典
- OpenAlex
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related生後24時間以内に開始したカンガルーケアが早産・低出生体重児に与える効果:システマティックレビューとメタアナリシス
早産や低出生体重の赤ちゃんに対し、生後24時間以内にカンガルーケア(親の胸で抱っこするスキンシップケア)を始めることの効果をまとめた研究です。早期に開始した方が、遅く始めた場合や通常ケアに比べて、体温調節・体重増加・母乳育児率などの面で改善する可能性が示されています。
出生直後の肌の触れ合い(カンガルーケア)は、1年後の母子の絆と関係する:JECSコホート研究
日本全国の出生コホート研究(JECS)で81,634名の母親を対象に、出産直後の母子接触(スキンシップ)と生後1年時点の母子の絆との関係を調べました。衣服越しの接触や肌と肌が触れる(スキンシップ)接触は、接触なしと比べて1年後の絆の形成が弱まるリスクが低い傾向が示されました(スキンシップ群:調整後OR 0.85)。
カンガルーケアは早産児のクロモグラニンA(ストレス指標)と末梢循環指標を改善する
早産児12人を対象に、カンガルーケア(母親との肌と肌の触れ合い)がストレス指標(唾液中クロモグラニンA)と末梢循環指標(パーフュージョン・インデックス)に与える影響を調べました。母乳のみで育てられた早産児では、カンガルーケア後にクロモグラニンAが有意に低下し、ストレスが和らいだ可能性があります。また末梢循環指標はカンガルーケア中に有意に改善しました。