乳児期の授乳方法と20歳時の体組成・心代謝健康との関連
Associations of Infant Feeding with Body Composition and Cardiometabolic Health in Young Female University Students
どんな研究?
01 — Summary乳児期の授乳方法(母乳・混合・人工乳)と20歳時の体組成・心代謝指標の関連を、女子大学生297名で調べました。完全人工乳で育った女性は、母乳または混合哺育の女性に比べてLDLコレステロール値が高い傾向がありましたが、体脂肪量や血糖値などには差がみられませんでした。ただし人工乳群の人数が少なく(15名)、解釈には注意が必要です。
要点
02 — Key points- 01人工乳のみで育った女性は20歳時のLDLコレステロールが高い傾向があった
- 02体脂肪量・空腹時血糖などの指標には授乳方法による差は認められなかった
- 03人工乳群のサンプル数が少なく(n=15)、結果の信頼性には限界がある
横断研究のため因果関係は示せない。人工乳群のサンプル数が15名と少ない。乳児期の授乳方法は自己申告・親の記憶に基づく。交絡因子(食事・生活習慣など)の影響を完全には排除できない。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 横断研究
- エビデンス強度
- 観察研究
- 掲載誌
- Journal of Women's Health
- 発表年
- 2022
- DOI
- 10.1089/jwh.2021.0464
- 出典
- OpenAlex
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related授乳方法(母乳・人工乳)と生後6か月の乳児の体格・体組成との関係
生後1か月までの授乳方法が確認された259人の乳児を生後6か月時点で追跡し、体格と体組成(DXA法)を比較しました。共変量を調整した結果、母乳育児の児は人工乳育児の児より除脂肪体重が低く、体脂肪率と体幹脂肪が高い傾向にありました。ただし体重・身長・体重対身長には有意差がなく、どちらの授乳方法でも乳児は標準的に成長していました。
乳リン脂質コーティング脂肪球を含む人工乳が健康な正期産児の体組成に与える影響
母乳の脂肪球に近い構造を持つ「コンセプト乳」(乳リン脂質コーティング大型脂肪球)と通常の調製乳を比較したランダム化比較試験(生後6か月まで)で、その後2歳まで体組成を追跡しました。コンセプト乳と通常乳の間では体脂肪率など体組成の変化に有意差はみられませんでした。一方、母乳育児群と比べると人工乳群はいずれも内臓脂肪が多く脂肪分比率は低い傾向がありました。
母乳育児と人工乳が乳幼児の肥満に与える影響
1980年から2024年にかけての研究を対象にしたナラティブレビューで、母乳と人工乳が子どもの肥満リスクにどう影響するかをまとめています。多くの研究で母乳育児は乳幼児期の過体重・肥満のリスク低下と関連していましたが、親のBMIなどの交絡因子を十分に調整していない研究も多く、長期的な肥満リスクへの影響は現時点では結論が出ていないとしています。母乳育児の保護効果のメカニズムとして、代謝プログラミング・脂肪組織の発達・腸内細菌叢の形成が挙げられています。