乳リン脂質コーティング脂肪球を含む人工乳が健康な正期産児の体組成に与える影響
Body composition trajectories of healthy, term infants receiving milk formula with large, milk phospholipid-coated lipid droplets enriched in dairy lipids
どんな研究?
01 — Summary母乳の脂肪球に近い構造を持つ「コンセプト乳」(乳リン脂質コーティング大型脂肪球)と通常の調製乳を比較したランダム化比較試験(生後6か月まで)で、その後2歳まで体組成を追跡しました。コンセプト乳と通常乳の間では体脂肪率など体組成の変化に有意差はみられませんでした。一方、母乳育児群と比べると人工乳群はいずれも内臓脂肪が多く脂肪分比率は低い傾向がありました。
要点
02 — Key points- 01コンセプト乳(人工乳)と通常の人工乳の間で、2歳までの体組成に有意差はなかった
- 02母乳育児群と比べると人工乳群は内臓脂肪が多く脂肪量の割合が少ない傾向があった
- 03生後6か月間は脂肪蓄積の重要な時期であり、長期的な研究がさらに必要
生後6か月以降は測定法(ADP→DXA)が変わるため連続比較に限界がある。試験は登録されておらず、サンプルサイズもやや小さい。母乳育児群は無作為化されておらず選択バイアスが含まれる。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- ランダム化比較試験
- エビデンス強度
- ランダム化比較試験
- 掲載誌
- Clinical Nutrition
- 発表年
- 2026
- DOI
- 10.1016/j.clnu.2026.106596
- 出典
- OpenAlex
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related授乳方法(母乳・人工乳)と生後6か月の乳児の体格・体組成との関係
生後1か月までの授乳方法が確認された259人の乳児を生後6か月時点で追跡し、体格と体組成(DXA法)を比較しました。共変量を調整した結果、母乳育児の児は人工乳育児の児より除脂肪体重が低く、体脂肪率と体幹脂肪が高い傾向にありました。ただし体重・身長・体重対身長には有意差がなく、どちらの授乳方法でも乳児は標準的に成長していました。
乳児期の授乳方法と20歳時の体組成・心代謝健康との関連
乳児期の授乳方法(母乳・混合・人工乳)と20歳時の体組成・心代謝指標の関連を、女子大学生297名で調べました。完全人工乳で育った女性は、母乳または混合哺育の女性に比べてLDLコレステロール値が高い傾向がありましたが、体脂肪量や血糖値などには差がみられませんでした。ただし人工乳群の人数が少なく(15名)、解釈には注意が必要です。
低栄養リスク・低栄養の幼児への経口栄養補助食品が成長・体組成に与える影響:多施設RCT(MARVELスタディ)
タイで実施した多施設RCTで、体重が基準より低い1〜6歳の子ども159名を対象に、栄養カウンセリングのみ(対照群)と牛乳由来の経口栄養補助食品(ONS)を加えた群を比較しました。3か月後、ONS群のほうが体重・身長・除脂肪体重の増加が有意に大きく、ONSが低栄養児の成長改善に役立つ可能性が示されました。