妊娠中の尿中コチニン濃度は乳児のBMI推移を予測する:89,617組の母子を対象とした研究
Maternal Urinary Cotinine Concentrations During Pregnancy Predict Infant BMI Trajectory After Birth: Analysis of 89617 Mother-Infant Pairs in the Japan Environment and Children's Study
どんな研究?
01 — Summary妊娠中の喫煙(能動・受動を問わず)にさらされた乳児は、生後6〜36か月にかけてBMIが上昇する傾向があることが、日本の大規模コホート研究で示されました。尿中のコチニン(ニコチンの代謝産物)濃度が高いほど、その後のBMI上昇が大きくなる量反応関係が確認されました。一方、喫煙に関するアンケートだけでは有意な関連は見られず、客観的な生体指標の重要性が示されています。
要点
02 — Key points- 01妊娠中のコチニン濃度が高い母親の子どもは、生後6〜36か月のBMIが段階的に高くなる傾向があった
- 02喫煙量の自己申告(アンケート)ではなく、尿中コチニン濃度(客観指標)のほうが子どものBMI推移をより正確に予測した
- 03能動・受動喫煙の両方が乳児期のBMI推移と関連しており、用量依存的な関係が示唆された
観察研究のため、喫煙と子どもの肥満の間に因果関係があるとは断言できません。社会経済的背景(教育歴・収入)など交絡因子の影響が残る可能性があります。また、追跡期間は生後36か月までと限定的です。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- コホート研究(前向き)
- エビデンス強度
- コホート研究
- 掲載誌
- Frontiers in Endocrinology
- 発表年
- 2022
- DOI
- 10.3389/fendo.2022.850784
- 出典
- OpenAlex
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related父親の喫煙・母親の受動喫煙が赤ちゃんに与える影響:EHF出生コホート
喫煙するパートナー(父親)を持つ非喫煙の妊婦の94%が受動喫煙にさらされていたことが示されました。母親の尿中コチニン(喫煙の指標)が高いほど赤ちゃんの出生体重が低い傾向があり、特に男児でより顕著でした。父親の喫煙をなくすことが、妊婦を受動喫煙から守るために重要です。
家庭内の受動喫煙と低出生体重の関連:サハラ以南アフリカの研究
サハラ以南アフリカの10か国のデータを分析した結果、家庭内で受動喫煙にさらされた妊婦から生まれた赤ちゃんは低出生体重(2500g未満)のリスクが高い傾向がありました。喫煙者が家にいない環境を作ることが、赤ちゃんの出生体重の改善につながる可能性があります。
在胎週数比小さめ(SGA)出生の人口寄与割合:日本出生コホートコンソーシアムの結果
日本の5つの出生コホート研究(計2万8千人以上)を統合した個人データメタアナリシスです。在胎週数比で小さく生まれる(SGA)赤ちゃんのリスク要因として、妊娠中の喫煙、低体重(やせ)、女児であること、初産などが特定され、それぞれが人口全体のSGAにどの程度寄与するかが推定されました。妊娠中の喫煙はSGA発生への寄与が大きく、予防可能な要因として特に重要であることが示されました。