母乳中の牛乳抗原含有量:スコーピングレビュー
Cow's Milk Antigens Content in Human Milk: A Scoping Review
どんな研究?
01 — Summary母乳には牛乳由来のたんぱく質断片(抗原)が含まれており、アレルギー傾向のある母親の母乳でより多く検出される傾向があります。ただし、母親の食事と母乳中のアレルゲン量との明確な関係は確立されておらず、母乳中のアレルゲンが乳児のアレルギー発症に及ぼす影響も不明な点が多いです。母乳バンクから提供される低温殺菌済み母乳では、β-ラクトグロブリンなど一部のたんぱく質が変性し、アレルギーリスクが高まる可能性が示唆されています。
要点
02 — Key points- 01母乳には牛乳由来のたんぱく質断片が含まれており、アレルギー傾向の母親で多い
- 02母親の食事と母乳中の牛乳アレルゲン量の明確な関係は確立されていない
- 03低温殺菌済み提供母乳では特定のたんぱく質が変性し、アレルギーリスクが増す可能性がある
スコーピングレビューであり、エビデンス統合の厳密さが低い。含まれる研究間で分析手法・授乳時期・サンプリングタイミングが大きく異なる。因果関係は不明。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- スコーピングレビュー
- エビデンス強度
- メタアナリシス
- 掲載誌
- Foods
- 発表年
- 2022
- DOI
- 10.3390/foods11121783
- 出典
- OpenAlex
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related母親の腸内細菌の構成が、新生児の免疫と幼児期のアレルギーに与える影響:システマティックレビュー
母親の腸内細菌の構成が、赤ちゃんの免疫やアレルギーのなりやすさとどう関係するかを、74件の研究をまとめて調べたシステマティックレビューです。帝王切開や妊娠中の抗菌薬使用はアレルギーのリスクと関連し、母乳・プロバイオティクス・食事の工夫は予防に役立つ方向と整理しています。地域による違いも大きいと述べています。
初乳(コロストラム)はピーナッツアレルギーを防ぐ可能性がある:出生コホートからの知見
オーストラリアの出生コホート(666組)で、出生後最初の3日間に初乳だけを与えたか(母乳のみ)、母乳と人工乳を混合して与えたか(部分的初乳摂取)で、生後12〜18か月時点のピーナッツアレルギーリスクを比較しました。部分的初乳摂取の赤ちゃんはピーナッツアレルギーのリスクが約4.5倍高く(aOR 4.47)、複数食品へのアレルギーでは11.4倍高い傾向が示されました。
WAO牛乳アレルギーガイドライン(DRACMA)更新版:乳児・幼児向け代替ミルクに関するシステマティックレビュー
牛乳アレルギー(CMA)の乳幼児に用いる代替ミルク(加水分解ミルク・アミノ酸ミルク・大豆ミルク・米加水分解ミルクなど)を比較した14件のRCTと7件の観察研究をまとめたレビューです。エビデンスの質は概して「非常に低い」ものの、IgE型CMAでは広範加水分解ミルクとアミノ酸ミルクを比較すると、加水分解ミルクのほうがアレルギー寛容を獲得しやすい可能性がある一方、成長においてはアミノ酸ミルクが優れている可能性が示唆されました。最適な選択は個々の状況に応じた判断が必要です。