生後2年の授乳パターンと母親のメンタルヘルス・身体的健康の関連:エコチル調査
Association of infants' feeding pattern up to 2 years postpartum with mothers' mental and physical health: the Japan Environment and Children's Study
どんな研究?
01 — Summaryエコチル調査のデータを使い、生後2年にわたる授乳パターンと産後2.5年時点の母親のメンタルヘルス・身体的健康との関連を調べた研究です。完全母乳育児の継続や赤ちゃんとの授乳中の相互作用が、母親の精神的健康(うつ症状の少なさ)と関連している傾向が示されました。
要点
02 — Key points- 01完全母乳育児の継続は母親のうつ症状の少なさと関連する傾向があった
- 02授乳中に赤ちゃんと積極的に関わることも母親の精神的健康と正の関連が見られた
- 03授乳の継続期間や方法が母体健康に影響する可能性が示唆された
観察研究であり、母乳育児が精神健康を改善するのか、精神健康が良い母親が母乳を続けやすいのかという逆因果の可能性がある。自己報告によるバイアスも考慮が必要。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- コホート研究
- エビデンス強度
- コホート研究
- 掲載誌
- Journal of Affective Disorders
- 発表年
- 2023
- DOI
- 10.1016/j.jad.2022.12.140
- 出典
- OpenAlex
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related母乳育児と腸重積症の発症に関連なし:日本の全国出生コホート調査
日本の約31,800人の子どもを対象にした大規模調査で、母乳育児の有無・期間と腸重積症(腸が折れ重なる病気、6〜18か月に多い)の発症との間に有意な関連はみられませんでした。腸重積症の年間発症率は1,000人あたり約1.6件でした。
産後うつと乳児の授乳方法が子どもの体重(1歳・3歳時)に与える影響
東京近郊の日本の出産コホート(母子1,279組)を使い、産後うつ(PPD)と離乳開始時期が子どもの体格(BMI Zスコア)に与える影響を調べました。産後6か月時点でPPDがあった母親の子どもは3歳時のBMI Zスコアが高い傾向がありました。また、生後6か月での離乳食開始が3歳時の高BMI Zスコアと関連していました。
母乳育児と赤ちゃんの発達(きょうだい比較を使った日本のエコチル調査)
日本の大規模調査「エコチル調査」の子ども約7万7千人を対象に、母乳育児と1歳までの発達の関係を調べた研究です。生後12か月まで母乳を続けた子どもは、1歳時点で発達の遅れがみられる割合がやや低い傾向がありました。家庭環境などの影響を減らすため、同じ家庭の「きょうだい同士」を比べる方法でも、同じ向きの関連が残りました。