妊娠中のよくある睡眠障害:包括的レビュー
Common sleep disorders in pregnancy: a review.
どんな研究?
01 — Summary1991〜2021年の文献744報を対象に、妊娠中の睡眠障害(不眠、閉塞性睡眠時無呼吸、むずむず脚症候群、概日リズム障害)の特徴・有病率・リスク因子・母児への影響を総合的に整理しました。妊娠中は不眠や無呼吸などの睡眠障害が増加しやすく、肥満や妊娠糖尿病・妊娠高血圧症との関連が示されています。睡眠障害が早産や胎児発育に影響する可能性もありますが、エビデンスに議論が残る部分も多いと報告されています。
要点
02 — Key points- 01妊娠中は不眠・無呼吸・むずむず脚症候群など複数の睡眠障害が起こりやすい
- 02妊娠中の睡眠障害は、肥満や妊娠糖尿病・妊娠高血圧症と関連する可能性がある
- 03縦断的な測定や標準化されたアセスメントを用いた研究が今後必要とされている
準システマティックレビューであり、研究の質や方法論にばらつきがあります。睡眠障害の定義や測定方法が研究によって異なるため、結果の比較や統合には限界があります。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 準システマティックレビュー
- エビデンス強度
- 総説・その他
- 掲載誌
- Frontiers in medicine
- 発表年
- 2023
- DOI
- 10.3389/fmed.2023.1235252
- 出典
- Europe PMC
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related妊婦の睡眠障害が母子の予後に与える影響:ナラティブレビュー
妊娠中の睡眠時無呼吸(OSA)などの睡眠呼吸障害は、妊娠高血圧・妊娠糖尿病・産後うつと関係することが知られています。さらに、治療されない睡眠障害は胎児の発育不全・神経認知発達の障害・早産リスクの増加と関連する可能性があります。妊娠中の十分な睡眠が母子の健康に重要であることが改めて示されています。
妊娠中の睡眠問題と産後うつ・新生児状態との関連
683名の妊婦を対象とした前向き研究で、妊娠中の睡眠の質と産後うつ症状・新生児のアプガースコアとの関連を調べました。妊娠第3三半期の睡眠の質が低いほど、産後1か月時点での産後うつ症状リスクが有意に高まる傾向が見られました(OR=1.19)。また、妊娠中の閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)がある女性の赤ちゃんでは、5分後のアプガースコアがやや低い傾向がありました。
妊娠前・妊娠中の母親の睡眠と1歳児の睡眠・発達の問題との関連——JECSコホート研究
約10万人が登録されたJECSコホートを用い、お母さんの妊娠前・妊娠中の睡眠が、1歳の赤ちゃんの睡眠・発達に関係するかを調べました。妊娠中の睡眠に問題があったお母さんの子どもほど、1歳時に睡眠の問題を抱えやすい傾向がみられました。また、妊娠中の睡眠は妊娠後期のほうが早期より強く関連していました。妊娠前の睡眠との関連は限定的でした。