観察研究

ビタミンD不足は2歳の日本人男児の神経発達の問題と関連する

Vitamin D deficiency associated with neurodevelopmental problems in 2-year-old Japanese boys

どんな研究?

01 — Summary

日本環境と子どもの研究(JECS)のサブコホートとして、2歳時の血中ビタミンD濃度と神経発達の問題を調べました。男児ではビタミンD不足(20 ng/mL未満)のグループで、総合的な発達スコアが低い確率が約2.3倍、認知・適応領域や言語・社会性領域でも有意に高くなっていました。女児では明確な関連は見られませんでした。

要点

02 — Key points
  • 01男児でビタミンD不足(<20 ng/mL)と神経発達の問題リスクが約2.3倍に(aOR=2.33)
  • 02認知・適応、言語・社会性の両領域でも有意な関連
  • 03女児では明確な関連は認められず、性差が示唆された
読むときの注意 / Limitations

横断研究のため因果関係は不明。ビタミンD濃度は1時点の測定のみ。乳幼児期のビタミンD摂取や日光暴露などの交絡因子を完全に調整できていない可能性がある。

この研究の確からしさ

03 — Evidence
観察研究ある時点の関連を調べる研究。関連=原因とは限らない。

書誌情報

04 — Reference
研究デザイン
横断研究(コホートサブ解析)
エビデンス強度
観察研究
掲載誌
Acta Paediatrica
発表年
2023
DOI
10.1111/apa.16998
出典
OpenAlex

この研究が関わる疑問

05 — Questions

関連する研究

06 — Related
2021 · ランダム化プラセボ対照試験ランダム化比較試験

乳児マッサージ用オイルを通じた経皮的微量栄養素補給の神経発達・栄養状態への効果:ランダム化プラセボ対照試験

鉄・ビタミンD・葉酸・ビタミンB12を含むリポソーム配合オイルで生後4〜7週から12ヵ月まで毎日マッサージを行うランダム化試験(444名)では、介入群と対照群で精神・運動発達スコアに有意差は見られなかった。ただし12ヵ月時点のビタミンD(25-OH-D)はわずかに改善する傾向が示された。中等度貧血のサブグループでは、介入によりヘモグロビンの低下が抑えられた可能性がある。経皮マッサージによる微量栄養素補給は神経発達の改善には十分でなかったとの結論で、より高用量での検討が必要とされている。

2025 · 前向きコホート研究コホート研究

臍帯動脈血pH(出生時の酸素状態の指標)と3歳時の神経発達の関連:日本環境と子どもの研究

日本環境と子どもの研究(JECS)から7万1,680件の正期産を分析し、出生時の臍帯動脈血pH(酸素不足の指標)と3歳時の神経発達の関係を調べた大規模コホート研究です。臍帯動脈血pHが最も低いグループ(pH7.00未満)では、男の子にコミュニケーション・粗大運動・微細運動の障害リスクが2〜4倍高く、女の子では社会性の障害リスクが4倍高い傾向がありました。出生時の酸素不足が神経発達に性差を伴う影響をもたらす可能性があります。

2025 · 縦断的コホート研究コホート研究

妊娠週数と双子の健康・神経発達の関連:日本の全国縦断調査から

日本の「21世紀出生児縦断調査」から2010年生まれの双子549人を分析し、出生時の妊娠週数が5.5歳までの健康・発達に与える影響を調べた研究です。中等度〜後期早産児(32〜36週)は、早期正期産児(37〜38週)に比べて乳児期の入院リスクが約1.7倍でした。2.5歳時点では早産グループに発達の遅れが多くみられましたが、5.5歳時点では差が縮まりました。