乳児期の犬・猫の飼育と3歳時の機能性便秘の関係:日本環境省子どもコホート研究
Impact of dog and/or cat ownership on functional constipation at 3 years of age: the Japan Environment and Children's study.
どんな研究?
01 — Summary日本の大規模出生コホート研究(約7万4,000人)で、乳児期(生後6か月未満)に犬や猫を飼っていた家庭の子どもが3歳時に機能性便秘を発症するリスクが、ペットを飼っていない家庭と比べてわずかに高い傾向(約9%増)が示されました。ただし、関連は比較的小さく、観察研究であるため因果関係は示されていません。
要点
02 — Key points- 01乳児期(生後6か月未満)の犬・猫飼育が3歳時の機能性便秘リスクとわずかに正の関連(調整OR 1.09)
- 02非飼育群と比べると便秘のある子どもの割合は11.6%
- 03長期・現在の飼育者でも同様の傾向は見られたが、全体の効果量は小さい
観察研究であり、関連が示されても因果関係は証明されない。交絡因子(食物繊維摂取量・水分摂取など)を完全に除去するのは難しい。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- コホート研究
- エビデンス強度
- コホート研究
- 掲載誌
- BMC Pediatrics
- 発表年
- 2023
- DOI
- 10.1186/s12887-023-04412-4
- 出典
- Europe PMC
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related幼少期からずっと猫を飼うことと、ぜんそく(プエルトリコの子ども・若者の追跡研究)
プエルトリコの子ども・若者384人を平均5年ほど追い、幼少期から学齢期までずっと猫または犬を飼っていることが、ぜんそくやアレルギー反応と関係するかを調べた研究です。家庭の収入や家族のアレルギー歴などを考慮しても、ずっと猫を飼っていた子はぜんそくが少ない傾向がみられました(オッズが約7割低い)。一方で、ずっと犬を飼っていることはぜんそくやアレルギー反応とはっきりした関連はありませんでした。
乳幼児期の動物との接触と、子どもの湿疹・ぜんそく・アレルギー性鼻結膜炎(デンマークの大規模出生コホート)
デンマークの子ども約8万4千人を13歳まで追って、乳幼児期に犬・猫・鳥などの動物と接することが、湿疹(アトピー性皮膚炎)・ぜんそく・アレルギー性鼻結膜炎と関係するかを調べた研究です。全体として関連は弱く、犬との接触はわずかに湿疹やぜんそくが少ない傾向、一方で生まれる前の家の中の鳥との接触はぜんそくがやや多い傾向がみられました。関連の強さは、動物の種類や接触のしかた、親にアレルギーがあるかどうか、接触の時期によって変わっていました。
ペットを飼うことと、アトピー型ぜんそくの子どもの気道の炎症・ぜんそくの重さ
韓国でぜんそくのある5〜15歳の子ども975人を対象に、ペットを飼っていることが気道の炎症やぜんそくの重さと関係するかを調べた研究です。アトピー型ぜんそくの子では、ペットに対するアレルギー反応の有無にかかわらず、ペットを飼っている子は気道の炎症の指標(呼気中の一酸化窒素)が高く、ぜんそくも重い傾向がみられました。すでにぜんそくのある子では、ペットとの接触が症状を悪くする可能性が示されています。