日本の子どもの肥満の動向:2012〜2021年の全国観察研究
Trends in childhood obesity in Japan: A nationwide observational study from 2012 to 2021
どんな研究?
01 — Summary文部科学省の学校保健統計調査データを用いて、2012〜2021年の日本の子ども(6〜14歳)の肥満・体力・運動習慣の変化を調べました。男女とも肥満の割合が増加しており、特にCOVID-19パンデミック以降(2010年代後半から)は増加傾向が顕著でした。体力テストのスコアと運動時間は2010年代後半から低下傾向にあり、肥満の増加と並行していました。
要点
02 — Key points- 01日本の子どもの肥満割合は2012〜2021年に男女とも増加し、特に2010年代後半以降に加速した
- 02体力テストのスコアと運動時間は2010年代後半から低下傾向を示した
- 03肥満増加と運動習慣の低下が同時期に起きており、学校での健康教育の強化が重要とされた
観察研究であり、肥満と運動習慣の低下が因果関係かどうかは不明。調査データに基づくため、個人レベルの生活習慣の詳細は把握できない。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 全国観察研究(二次データ分析)
- エビデンス強度
- 観察研究
- 掲載誌
- Clinical Obesity
- 発表年
- 2023
- DOI
- 10.1111/cob.12636
- 出典
- OpenAlex
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related韓国における学校の身体活動介入が体力とBMIに与える効果:三水準メタアナリシス
韓国の子ども・青少年を対象とした24件の研究を統合したメタアナリシスです。学校での身体活動プログラムは、筋持久力・筋力・柔軟性・BMI・体脂肪率に小〜中程度の改善をもたらす可能性があることが示されました。週100〜150分の身体活動が最も効果的な目安として浮かび上がりました。ただし、含まれた研究の規模が小さく、効果の一般化には限界があります。
小児肥満が運動協調能力を介して体力に与える影響
7〜14歳の子ども431人を対象にした横断研究で、肥満の子どもは正常体重の子どもに比べて体力指数と運動協調能力がともに低い傾向が示されました。肥満と体力の関係の一部は、運動協調能力(身体の動きをうまくまとめる力)を介している可能性があります。ただし横断研究であるため、因果関係は確認できません。
体格(太り過ぎ・痩せ過ぎ)に関わらず、運動時間が多いほど体力が高い:全国調査による横断研究
日本の小学生約19,500人・中学生約10,600人を対象にした全国規模の調査で、体格(肥満・標準・痩せ)にかかわらず、運動時間が多い子どもほど体力テストの成績が高い傾向がみられました。肥満や痩せの体格でも、日頃から運動している子どもは体力が高めであることが示されています。