初産・経腟分娩の低リスク母親における生後4か月の完全母乳育児達成のための母乳量モデル:前向きコホート研究
A breast milk production model for achieving exclusive breastfeeding in low-risk primiparas who had vaginal births at 4 months postpartum: A prospective cohort study
どんな研究?
01 — Summary初産・経腟分娩の低リスク母親80人を対象とした前向きコホート研究で、産後3〜4日の母乳量が1日102g以上、産後1か月で527g以上であると、生後4か月の完全母乳育児達成の予測精度が高いことがわかりました(1か月時のAUC=0.854)。一時的に人工乳を使用した場合でも、完全母乳育児の目標を達成できる可能性が示されました。
要点
02 — Key points- 01産後1か月の母乳量527g/日以上が、生後4か月完全母乳育児達成の予測に有用(AUC=0.854)
- 02産後3〜4日の母乳量102g/日以上も生後4か月の完全母乳育児の予測に有効
- 03一時的に人工乳を使用しても完全母乳育児の達成は可能
対象が初産・経腟分娩の低リスク母親に限定されており、帝王切開例や多産婦への一般化には注意が必要。対象人数が80人と少規模。授乳意欲・サポート環境などの交絡因子が残る。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 前向きコホート研究
- エビデンス強度
- コホート研究
- 掲載誌
- Japan Journal of Nursing Science
- 発表年
- 2024
- DOI
- 10.1111/jjns.12588
- 出典
- OpenAlex
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related地域の仲間(ピア)による授乳支援の効果:システマティックレビュー・メタアナリシス
47件の研究をまとめたメタアナリシスにより、地域の仲間(ピアサポーター)による授乳支援が完全母乳育児の継続期間を延ばす効果を検討しました。低・中所得国では3〜6か月時点での完全母乳育児率が大きく向上し(約2〜9.5倍)、高所得国でも3か月時点で約2.6倍の向上がみられました。授乳開始や初乳のみの授乳(プレラクテアルフィーディング抑制)にも効果がある可能性がみられました。
出産前に母乳(初乳)をしぼっておくことの効果(システマティックレビュー・メタアナリシス)
出産前のうちから母乳(初乳)をしぼって準備しておく方法(妊娠中の搾乳)が、その後の授乳に役立つかを、11件のランダム化比較試験(女性約1600人)をまとめて調べた研究です。この方法を行った母親は、産後に母乳が十分に出るまでの遅れが少なく、産後早い時期からの完全母乳もしやすい傾向がありました。母子の安全面で目立った問題はみられませんでした。
完全母乳育児の早期中断の要因:質的研究のメタ統合
完全母乳育児を生後6か月まで続けることができず早期に中断してしまう理由を、世界中の質的研究をまとめて分析した質的メタ統合です。全世界でも約44%の乳児しか推奨通りの完全母乳育児を受けられていない現状があり、母乳分泌の不安・職場復帰・家族や医療者からの支援不足・社会的・文化的プレッシャーなどが主な要因として挙げられています。