母乳オリゴ糖を利用するビフィドバクテリウムが乳児の腸内有機酸プロファイルを調節する
Fucosylated human milk oligosaccharide-utilizing bifidobacteria regulate the gut organic acid profile of infants.
どんな研究?
01 — Summary日本の12人の乳児を2年間追跡し、腸内細菌(特にビフィドバクテリウム属)と腸内の有機酸(酢酸・乳酸など)の変化を調べました。母乳育児期には成人には少ない酢酸・乳酸・ギ酸が腸内に多く、これらはビフィドバクテリウムが母乳中のオリゴ糖から産生していることが示されました。これらの有機酸が乳児の腸の健康に重要な役割を持つ可能性があります。
要点
02 — Key points- 01母乳育児期の乳児腸内では酢酸・乳酸・ギ酸が特徴的に多い
- 02ビフィドバクテリウムが母乳オリゴ糖を利用してこれらの有機酸を産生
- 03腸内有機酸プロファイルは離乳後に成人型に移行
サンプル数が12人と非常に少なく、結果の一般化には限界があります。観察研究であり、因果関係の証明ではありません。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 縦断コホート研究
- エビデンス強度
- コホート研究
- 掲載誌
- Gut Microbes
- 発表年
- 2024
- DOI
- 10.1080/19490976.2024.2330348
- 出典
- Europe PMC
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related母親の肥満は母乳オリゴ糖の成分を変化させ、新生児の腸内細菌の定着パターンと関連する
メキシコで97組の母子を対象に行われたコホート研究で、肥満の母親では産後早期に特定の母乳オリゴ糖(HMO)の濃度が低下していることがわかりました。この変化は赤ちゃんの腸内細菌の定着パターンとも関連しており、肥満のお母さんの赤ちゃんでは腸内細菌の構成が異なる傾向が見られました。ただし、これが赤ちゃんの健康にどの程度影響するかはまだ十分には分かっていません。
妊娠糖尿病と母乳オリゴ糖の濃度、乳児の体重増加・腸内細菌叢との関連
妊娠糖尿病(GDM)をもつ母親の母乳に含まれるオリゴ糖(HMO)の濃度が、GDMのない母親と異なるかどうか、またそのHMOが乳児の発育や腸内細菌叢と関係するかを調べた観察研究です。GDMの母親では特定のHMO(6'SLやLNFP III)が高く、6'SLは乳児の体重・身長の増加とも関連していました。ただし、このHMOが腸内細菌叢を介して乳児の成長に影響しているという証拠は得られませんでした。
乳児期早期のビフィドバクテリウム母子伝播:乳児腸内から母乳への貢献が大きいことが明らかに
生後1か月以内の母子ペア21組を調べたところ、母乳は乳児の腸内細菌全体の約64〜78%を占める一方、特定の善玉菌(ビフィドバクテリウム)については逆に乳児の腸から母親の母乳へと伝わっている可能性が示されました。授乳は細菌が双方向に交換される過程かもしれません。