おなかの中での「暑さ(高温)」への曝露と、子どもの長期的な健康・社会的アウトカム(システマティックレビュー)
Impacts of heat exposure in utero on long-term health and social outcomes: a systematic review.
どんな研究?
01 — Summary妊娠中にお母さん(おなかの中の赤ちゃん)が暑さ(高温)にさらされることが、子どものその後の健康や社会的なアウトカムにどう影響するかを、29件の研究からまとめたシステマティックレビューです。暑さへの曝露が増えるほど、さまざまな体の働きにわたって好ましくないアウトカムと関連していました。気候変動を背景に注目されているテーマです。
要点
02 — Key points- 0129件の研究をまとめたシステマティックレビュー
- 02おなかの中での暑さへの曝露が、多面的な悪影響と関連
- 03気候変動を背景に重要性が増すテーマ
- 04暑い時期の妊婦の暑さ対策の大切さを示唆
すべて観察研究で、暑さが直接悪影響を与えると断定はできません。多くは高所得国・比較的涼しい地域での研究で、影響の仕組みもまだ分かっていません。個人でできる対策は限られ、社会的な対応も必要です。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- システマティックレビュー
- エビデンス強度
- メタアナリシス
- 掲載誌
- BMC Pregnancy and Childbirth
- 発表年
- 2024
- DOI
- 10.1186/s12884-024-06512-0
- 出典
- Europe PMC
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related妊娠前・妊娠初期の禁煙と、胎児・子どもの成長(日本の研究)
日本の研究で、妊娠前や妊娠の初期にたばこをやめたお母さんの子どもの、胎児期から子ども時代にかけての成長を調べました。妊娠前または妊娠初期に禁煙したお母さんの子どもは、適切な(正常な範囲の)成長をしていました。早い時期の禁煙が、子どもの成長にとって望ましいことを示しています。
母親の環境化学物質への曝露と子どもの健康リスク:栄養状態が和らげる役割(スコーピングレビュー)
母親の栄養状態が、大気汚染や有害金属などの環境要因による子どもの健康リスクを和らげるかを、60件の研究から地図づくり的に整理したレビューです。最もよく調べられていた栄養素は葉酸で、葉酸が大気汚染・有害金属・喫煙による神経発達などへの影響を和らげる可能性が示されました。ただし研究の多くは観察研究で、結論を出すための統合はしていません。
妊娠中のコリンと子どもの神経発達:ランダム化比較試験と観察研究のシステマティックレビュー
妊娠中のコリン摂取が子どもの脳や発達によいかを、人を対象にした研究をまとめて調べたレビューです。コリンを補う4件のランダム化比較試験と5件の観察研究を集めて検討しました。結果は研究によってばらつきがあり、効果が見られた項目もありましたが、多くの項目では差がありませんでした。著者らは、現時点では妊娠中のコリンが子どもの発達をよくするとも、よくしないとも言い切れないと結論づけています。