日本における3年間のコロナ禍の学校制限と子ども・思春期の心の健康
Three years of COVID-19-related school restrictions and mental health of children and adolescents in Japan
どんな研究?
01 — Summaryコロナ禍3年間、日本の子どもたちは世界的な緩和後も給食中の黙食やマスク着用など厳しい制限が続きました。遠足などの学校行事がキャンセルされた経験は、うつ症状のリスク上昇と関連していました。特に女子や課外活動をしていない子どもで影響が大きい傾向がみられました。
要点
02 — Key points- 01遠足などのキャンセルは、うつ症状のリスクが約1.5倍(OR 1.54)高かった
- 02行事の高い中止率は、学校生活への不満と関連(OR 1.65)
- 03女子と課外活動のない子どもで影響がより大きい傾向
遡及的な調査であり、因果関係の確認はできない。報告は本人ではなく主に親による回顧的な回答で、想起バイアスの可能性がある。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 後ろ向き横断調査
- エビデンス強度
- 観察研究
- 掲載誌
- Scientific Reports
- 発表年
- 2024
- DOI
- 10.1038/s41598-024-67138-y
- 出典
- OpenAlex
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related子ども・思春期の身体活動介入が心の健康に与える効果:介入種類とベースラインリスクを調整変数としたシステマティックレビュー・メタアナリシス
ランダム化比較試験などを含む24件の研究を統合し、身体活動プログラムが子ども・青少年の心の健康に与える効果を分析しました。全体として身体活動は心の健康を小さいながら統計的に有意に改善しました(標準化平均差SMD=0.19)。マインドボディ系(ヨガなど)の介入と、もともとメンタルヘルスリスクが高い子どもでは効果が比較的大きい傾向が見られました。ただし効果の大きさは小さく、研究間の異質性も中程度でした。
コロナ禍最初の2年間における子どもの心の健康・対処行動・リスク因子:12カ国代表サンプルによる多波調査(COH-FIT研究)
12カ国6,000人超の6〜13歳の子どもを対象に、コロナ禍前後の心の健康を追跡した大規模調査です。コロナ禍中に子どもの幸福感が低下し、うつ・不安などの精神症状が増加しましたが、流行後半には元の水準に近づく傾向が見られました。女子、学校閉鎖、既往の心身の病気がある子どもでリスクが高く、家族との交流や外遊びなどの対処行動がよく使われていました。
余暇の身体活動頻度と情動・行動上の問題:スペインの国民健康調査における子ども・青少年のグレード別パターン
スペインの6〜14歳の子ども2,328人を代表する全国サンプルを使った横断研究で、余暇に身体活動をする頻度が高いほど情動・行動上の困難が少ない傾向が、用量反応的に確認されました。神経発達・精神健康・機能関連疾患のある子どもが最も困難を示しやすく、身体活動の促進がメンタルヘルスにとっても重要な可能性があります。