妊娠中のヨウ素摂取と乳児の気質:米国多民族コホート研究
Prenatal iodine intake and infant temperament in a multiethnic US cohort.
どんな研究?
01 — Summary妊娠中のヨウ素摂取量と赤ちゃんの気質(活発さ・なだめやすさなど)との関係を調べたところ、ヨウ素摂取量と乳児の気質の間には有意な関連がみられませんでした。ヨウ素は甲状腺ホルモンを通じて胎児の脳発達に重要な役割を持ちますが、この研究では気質への直接的な影響は確認されませんでした。
要点
02 — Key points- 01妊娠中のヨウ素摂取量(食事・サプリ)と乳児の気質の間に有意な関連はなかった
- 02米国多民族コホート(PRISM研究)での検討
- 03ヨウ素摂取が甲状腺ホルモンを介して発達に影響する可能性は残るが、気質への効果は確認されなかった
食事からのヨウ素摂取量の測定精度に限界があります。気質は主観的な親の評価に基づいており、バイアスが生じる可能性があります。観察研究のため因果関係は言えません。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 前向きコホート研究
- エビデンス強度
- コホート研究
- 掲載誌
- Public Health Nutrition
- 発表年
- 2024
- DOI
- 10.1017/s1368980024001575
- 出典
- Europe PMC
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related妊娠中の母親のヨウ素の状態と、子どもの神経発達(前向きコホートの用量反応メタアナリシス)
妊娠中の母親のヨウ素の足り具合が、子どもの神経発達と関係するかを、8つのコホート研究をまとめて調べた研究です。ヨウ素が不足ぎみだと、子どもの発達(とくに認知の面)がわずかに低い傾向がみられました。一方で、多ければ多いほどよいわけではなく、適量(おおよそ食事から150〜300µg/日くらい)が望ましいと示唆されています。
妊娠中のお母さんのヨウ素の摂取と、子どもの神経発達(エコチル調査)
日本の「エコチル調査」のデータで、妊娠中のお母さんのヨウ素(海藻などに多く、甲状腺ホルモンに必要なミネラル)の摂取量と、子どもの神経発達との関係を調べました。ヨウ素の摂取が少ないお母さんの子どもでは、手先の細かい動きや問題解決などの発達が遅れるリスクがやや高い傾向が見られました。妊娠中の適切なヨウ素の摂取が、子どもの発達に関わる可能性があります。
妊娠中に必要なヨウ素量についての考え方の見直し(総説)
妊娠中に必要なヨウ素の量について、最近の知見を整理した総説です。ヨウ素は胎児の脳・神経の発達に欠かせず、妊娠中は必要量が増えます。ただしヨウ素は不足だけでなく摂り過ぎも甲状腺の働きや胎児の発達によくなく、ちょうどよい範囲がせまいことが指摘されています。