食事パターンと食物アレルギーの疫学的関係
The Relationship Between Dietary Patterns and the Epidemiology of Food Allergy.
どんな研究?
01 — Summary食物アレルギーは世界的に増加しており、特に都市化・西洋化した社会で多い傾向があります。この論文では、食事パターン(特に食物繊維の少ない加工食品中心の西洋型食事への移行)が腸や皮膚のバリア機能に影響し、食物アレルギーを含む慢性炎症性疾患の発症と関連する可能性を概説しています。ただし、食事以外にも大気汚染・微生物叢・抗菌薬など多くの要因が関与するとされます。
要点
02 — Key points- 01食物アレルギーの有病率は農村部・途上国より都市化・西洋化した社会で高い傾向
- 02食物繊維の少ない西洋型食事への移行が腸・皮膚バリアを弱め食物アレルギーに関与する可能性
- 03汚染、抗菌薬、生物多様性への暴露など食事以外の多くの要因も重要
レビュー論文であり因果関係の証明ではない。食事と食物アレルギーの関係を地域比較で示すが交絡因子が多い。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 総説
- エビデンス強度
- 総説・その他
- 掲載誌
- Allergy
- 発表年
- 2025
- DOI
- 10.1111/all.16455
- 出典
- Europe PMC
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related母親の腸内細菌の構成が、新生児の免疫と幼児期のアレルギーに与える影響:システマティックレビュー
母親の腸内細菌の構成が、赤ちゃんの免疫やアレルギーのなりやすさとどう関係するかを、74件の研究をまとめて調べたシステマティックレビューです。帝王切開や妊娠中の抗菌薬使用はアレルギーのリスクと関連し、母乳・プロバイオティクス・食事の工夫は予防に役立つ方向と整理しています。地域による違いも大きいと述べています。
腸内細菌のファエカリバクテリウムが、子どもの卵アレルギーの耐性獲得を予測する
卵アレルギーを持つ幼児(1.5〜8歳)36人を対象に、腸内細菌の組成と2年以内の耐性獲得(卵が食べられるようになること)との関係を調べました。耐性を獲得した子どもの腸内には、酪酸を産生する細菌「ファエカリバクテリウム」が有意に多く含まれており、この細菌の割合が耐性獲得の予測因子として有望であることが示されました。耐性を得た子どもでは、免疫を調節するT細胞(制御性T細胞)の割合も高い傾向にありました。
妊娠中・乳幼児期の腸内細菌に影響する薬と、子どもの食物アレルギーのリスク(システマティックレビュー・メタアナリシス)
妊娠中や乳幼児期の抗菌薬・胃酸を抑える薬・プロバイオティクスの使用と、子どもの食物アレルギーとの関連を調べた研究をまとめたメタアナリシスです。約166万人の母親と約516万人の子どものデータを統合した結果、妊娠中や生後2年までの抗菌薬使用は、食物アレルギーのリスクの高さと関連していました。プロバイオティクスの使用には、食物アレルギーを減らす関連はみられませんでした。