妊娠中・乳児期の抗菌薬曝露と子どもの自己免疫疾患リスク:韓国の全国コホート研究
Exposure to antibiotics during pregnancy or early infancy and the risk of autoimmune disease in children: A nationwide cohort study in Korea
どんな研究?
01 — Summary韓国の全国規模のデータベースを用いた研究で、妊娠中または乳児期初期に抗菌薬(抗生物質)に曝露された子どもは、自己免疫疾患(1型糖尿病・炎症性腸疾患・若年性関節炎など)のリスクが高い傾向が見られました。ただし、兄弟間の比較では関連が弱まり、遺伝的・家族的な交絡因子の影響が大きいことが示されました。
要点
02 — Key points- 01妊娠中・乳児期の抗菌薬曝露は複数の自己免疫疾患リスクの上昇と関連
- 02兄弟間比較では関連が弱まり、家族的交絡の影響が示唆された
- 03韓国の全国規模データベース(母子リンクデータ)を使用
観察研究であり因果関係は証明できない。韓国のデータであり、日本への直接の一般化には注意が必要。抗菌薬の適応(感染症そのもの)が交絡している可能性がある。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 全国コホート研究
- エビデンス強度
- コホート研究
- 掲載誌
- PLoS Medicine
- 発表年
- 2025
- DOI
- 10.1371/journal.pmed.1004620
- 出典
- OpenAlex
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related妊娠中・乳幼児期の腸内細菌に影響する薬と、子どもの食物アレルギーのリスク(システマティックレビュー・メタアナリシス)
妊娠中や乳幼児期の抗菌薬・胃酸を抑える薬・プロバイオティクスの使用と、子どもの食物アレルギーとの関連を調べた研究をまとめたメタアナリシスです。約166万人の母親と約516万人の子どものデータを統合した結果、妊娠中や生後2年までの抗菌薬使用は、食物アレルギーのリスクの高さと関連していました。プロバイオティクスの使用には、食物アレルギーを減らす関連はみられませんでした。
乳幼児期の抗菌薬と腸内細菌の変化、子どものアレルギーの関連(システマティックレビュー)
妊娠中から10歳までの抗菌薬の使用と、腸内細菌の変化、子どものアレルギー(ぜんそく・アトピー性皮膚炎・アレルギー性鼻炎)との関連を調べた研究をまとめたシステマティックレビューです。150万人以上を含む15件の研究の多くで、妊娠中や生後2年までの抗菌薬使用が、特にぜんそくやアトピー性皮膚炎のリスクの高さと関連していました。抗菌薬の種類・時期・期間が腸内細菌の乱れや発症に関わる要因として挙げられています。
分娩時の予防的抗菌薬と子どもの健康(観察研究のシステマティックレビュー・メタアナリシス)
B群溶連菌(GBS)の予防のために分娩中に抗菌薬を使った母親と、使わなかった母親の子どもを比べた観察研究をまとめたメタアナリシスです。16件の研究を統合した結果、分娩時の抗菌薬は子どもの自己免疫関連の病気のリスクの高さと関連し、特にアトピー性皮膚炎で関連が目立ちました。子どものBMIはわずかに高めでしたが、乳児の腸内細菌の多様性には差がみられませんでした。