コロナ禍の前・中・後における乳児の神経発達と関連リスク因子:中国東部の横断研究
Neurodevelopment and Risk Factors in Infants Before, During, and After the COVID-19 Pandemic in Eastern China: Cross-Sectional Study.
どんな研究?
01 — Summary中国東部の病院で2019〜2023年に神経発達評価を受けた約17,600人の乳児(0〜1歳)を対象に、コロナ禍の各時期における発達遅れのリスクを比較しました。パンデミック期(2020〜2022年)の乳児はパンデミック前と比べて運動発達の遅れが多い傾向がありました。リスク因子には出生体重・性別・分娩方法なども含まれていました。
要点
02 — Key points- 01パンデミック期の乳児はパンデミック前より神経発達遅れリスクが高い傾向(特に総運動商)
- 0217,621件の運動発達評価と7,877件の総合発達評価を分析
- 03出生体重・男児・帝王切開も発達遅れと関連するリスク因子として確認
横断研究であり因果関係は示せない。病院受診した乳児が対象であり、受診バイアスがある可能性。中国東部の単一病院のデータであり、他地域への一般化は限定的。パンデミック期の環境的変化(外出自粛、遊びの機会減少など)の影響は分離できていない。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 横断研究
- エビデンス強度
- 観察研究
- 掲載誌
- JMIR Public Health and Surveillance
- 発表年
- 2025
- DOI
- 10.2196/76431
- 出典
- Europe PMC
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related幼児期の運動発達に伴うEEGシグナチャー:システマティックレビュー
0〜5歳の子どもの運動発達と脳波(EEG)の関係を調べた35件の研究(計1107人)をシステマティックレビューとしてまとめました。運動の成熟を示す最も一般的な脳波指標として「ミューリズムの同期解除(6〜13Hz)」が特定され、乳児期から就学前にかけてミューリズムのピーク周波数が上がっていくことが示されました。また睡眠中の脳波(徐波活動・紡錘波)が将来の運動能力を予測する可能性も示されましたが、研究方法が多様なため、臨床的な活用にはさらなる標準化が必要です。
COVID-19パンデミックが子どもの発達に与えた影響:パンデミック前・中・後の比較
COVID-19パンデミック中に18〜24か月だった子どもたちを36〜42か月まで追跡した研究です。パンデミック中に見られた言語発達への影響は36〜42か月時点では解消していましたが、新たに運動発達の発達指数の低下が確認されました。この運動への影響がパンデミックによるものか他の要因かは、さらなる検証が必要とされています。
自閉症のリスクが高い乳児における早期運動発達の軌跡
ASDのきょうだいがいる乳児(EL-AutSib)51人、結節性硬化症(EL-TSC)16人、低リスク群26人の計93人を対象に、生後3〜12か月の粗大運動発達(アルバータ乳児運動スケール)を追跡しました。ASDと診断されたEL-AutSibでも、低リスク群と比べた運動発達の遅れは統計的に有意ではありませんでした。一方、結節性硬化症の乳児では運動スコアが有意に低く、発達の遅れが早期から明確でした。