複数時点の血中ビタミンD濃度と5歳時のぜんそくリスクとの関連
Blood vitamin D levels at multiple time points and childhood asthma risk at age 5 years
どんな研究?
01 — Summary妊娠後期から5歳まで5つの時点でビタミンDを測定し、5歳時のぜんそく診断との関連を調べた日本のコホート研究です。臍帯血のビタミンD濃度が低いほど5歳時のぜんそくリスクが高まる傾向が見られましたが、母体血や出生後の濃度との関係は明確ではありませんでした。ビタミンDの胎児期ばく露がぜんそくの発症に関係する可能性を示しています。
要点
02 — Key points- 01臍帯血ビタミンD(25(OH)D)が1 ng/mL増えるごとにぜんそくリスクが約0.80倍になる傾向があった(調整後オッズ比 0.801)
- 02妊娠36週の母体血ビタミンD中央値は12.0 ng/mL、臍帯血は6.0 ng/mLと、いずれも不足レベルだった
- 03出生後1〜5歳のビタミンDとぜんそくリスクの関連は明確ではなかった
サンプルが205人と比較的小規模。観察研究であり因果関係は不明。この集団はアレルギー高リスク群であり、一般集団への一般化に限界がある。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 前向きコホート研究
- エビデンス強度
- コホート研究
- 掲載誌
- Pediatric Allergy and Immunology
- 発表年
- 2026
- DOI
- 10.1111/pai.70297
- 出典
- OpenAlex
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related妊娠糖尿病の母親から生まれた子どものアレルギー疾患
妊娠糖尿病(GDM)にさらされた胎児は、生後の免疫システムの発達が変化し、アレルギー疾患(ぜんそく・アトピー・食物アレルギーなど)を発症しやすくなる可能性があるというエビデンスを系統的に整理したレビューです。腸内細菌や免疫細胞の発達に対するGDMの影響がメカニズムとして考えられています。
乳幼児期の抗菌薬と腸内細菌の変化、子どものアレルギーの関連(システマティックレビュー)
妊娠中から10歳までの抗菌薬の使用と、腸内細菌の変化、子どものアレルギー(ぜんそく・アトピー性皮膚炎・アレルギー性鼻炎)との関連を調べた研究をまとめたシステマティックレビューです。150万人以上を含む15件の研究の多くで、妊娠中や生後2年までの抗菌薬使用が、特にぜんそくやアトピー性皮膚炎のリスクの高さと関連していました。抗菌薬の種類・時期・期間が腸内細菌の乱れや発症に関わる要因として挙げられています。
幼い時期のビタミンDの状態と、ぜんそく・喘鳴(システマティックレビュー・メタアナリシス)
妊娠中や生まれて間もない時期のビタミンDの状態が、子どものぜんそくやゼーゼーする症状(喘鳴)とどう関わるかを、3件のランダム化比較試験と33件のコホート研究からまとめたものです。ランダム化比較試験では、妊娠中のビタミンD補充がぜんそくを減らす明確な効果は見られませんでした。観察研究の結果は一致していませんでした。