コホート研究

コロナ禍が乳幼児の神経発達に与えた影響:神戸市の大規模コホート研究

Impact of the COVID-19 pandemic on infant neurodevelopmental outcomes.

どんな研究?

01 — Summary

神戸市の63,703人の子どものデータで、コロナ前(2014〜2018年生まれ)とコロナ禍(2020年)の1歳6か月時点の発達状況を比較しました。コロナ禍に生まれた子どもは、発達に遅れが見られる割合が高く(12.8% vs 10.2%、OR 1.30)、特に言語発達(意味のある言葉を言えない割合:7.1% vs 4.8%)への影響が顕著でした。

要点

02 — Key points
  • 01コロナ禍に生まれた子どもは発達フォローアップ該当率が約30%高い(OR 1.30)
  • 02言語面での遅れが特に目立ち、意味ある言葉のない割合が約50%増加(OR 1.52)
  • 03社会的・行動的な指標への影響は小さかった
読むときの注意 / Limitations

後ろ向き観察研究であり因果関係は示されない。コロナ禍に伴う複数の社会的変化(マスク着用、対人接触の減少など)のうち、どの要因が主に影響しているかは特定できない。評価は1歳6か月健診のスクリーニングに限られる。

この研究の確からしさ

03 — Evidence
コホート研究多くの人を追跡する観察研究。因果関係の証明は限定的。

書誌情報

04 — Reference
研究デザイン
後ろ向きコホート研究
エビデンス強度
コホート研究
掲載誌
BMJ Paediatrics Open
発表年
2026
DOI
10.1136/bmjpo-2025-003832
出典
Europe PMC

この研究が関わる疑問

05 — Questions

関連する研究

06 — Related
2026 · 反復横断研究観察研究

コロナ禍と18か月児の言語発達の長期的な関連:性別・保育場所・きょうだいの影響

岡山市の1歳6か月健診データ(約39,840人)を用いて、パンデミック前後で言語発達への影響を比較しました。パンデミック期間中は言語発達に遅れが見られる子どもの割合が約19%高く(RR 1.19)、その傾向はパンデミック後半(2022〜2024年)でさらに強まりました。女の子や家庭保育の子どもで影響がより顕著でした。

2026 · 横断的観察研究(コロナ前後コホート比較)観察研究

コロナ禍の負荷が早産児(0〜3歳)の発達に与える影響:横断的研究

コロナ禍中(2022〜2023年)に評価された早産児69名の認知・言語・運動発達を、コロナ前のコホートと比較しました。コロナ禍のグループでは言語発達スコアが有意に低く、これはコロナ禍による社会的環境の変化と関連する可能性があります。一方、認知・運動スコアには有意な差がみられませんでした。

2025 · 反復横断研究観察研究

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックと生後18か月児の言語発達:日本での検討

岡山市の1歳6か月健診を受けた約4万人の子どものデータを使い、コロナ禍前後で18か月児の言語発達に変化があったかを調べた反復横断研究です。パンデミック期間中(特に後期)に言語発達のフォローアップが必要な子どもの割合が増加する傾向が見られました。コロナ対策による人との接触機会の減少が、乳児の言語発達に影響した可能性が示唆されます。