新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックと生後18か月児の言語発達:日本での検討
COVID-19 pandemic and language development in children at 18 months in Japan
どんな研究?
01 — Summary岡山市の1歳6か月健診を受けた約4万人の子どものデータを使い、コロナ禍前後で18か月児の言語発達に変化があったかを調べた反復横断研究です。パンデミック期間中(特に後期)に言語発達のフォローアップが必要な子どもの割合が増加する傾向が見られました。コロナ対策による人との接触機会の減少が、乳児の言語発達に影響した可能性が示唆されます。
要点
02 — Key points- 01コロナ禍の18か月健診データ(約4万人)を分析したところ、言語発達のフォローアップが必要な子どもの割合がパンデミック後期に増加する傾向があった
- 02日本ではコロナ対策が長期にわたり、乳児が人や言葉と触れ合う機会が減った可能性がある
- 033語以上の有意味語を話せない割合などの二次アウトカムにも変化が観察された
観察研究(反復横断研究)のため、コロナ対策との因果関係は確認できない。健診での評価は保護者の報告に依存しており、詳細な言語測定ではない。また時代的な変化や他の社会的要因(例:スマートフォン使用増加)の影響を排除できない。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 反復横断研究
- エビデンス強度
- 観察研究
- 掲載誌
- European Journal of Public Health
- 発表年
- 2025
- DOI
- 10.1093/eurpub/ckaf161.974
- 出典
- OpenAlex
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Relatedコロナ禍が乳幼児の神経発達に与えた影響:神戸市の大規模コホート研究
神戸市の63,703人の子どものデータで、コロナ前(2014〜2018年生まれ)とコロナ禍(2020年)の1歳6か月時点の発達状況を比較しました。コロナ禍に生まれた子どもは、発達に遅れが見られる割合が高く(12.8% vs 10.2%、OR 1.30)、特に言語発達(意味のある言葉を言えない割合:7.1% vs 4.8%)への影響が顕著でした。
コロナ禍の負荷が早産児(0〜3歳)の発達に与える影響:横断的研究
コロナ禍中(2022〜2023年)に評価された早産児69名の認知・言語・運動発達を、コロナ前のコホートと比較しました。コロナ禍のグループでは言語発達スコアが有意に低く、これはコロナ禍による社会的環境の変化と関連する可能性があります。一方、認知・運動スコアには有意な差がみられませんでした。
コロナ禍と18か月児の言語発達:日本の6年間の反復横断研究
岡山市の18か月健診を受けた3万3484人のデータを用いて、コロナ禍前後で乳幼児の言語発達を比べました。パンデミック中は言語発達のフォローアップが必要とされた割合(36%)がパンデミック前(33.5%)より高く、3語以上の意味ある言葉が出ないリスクも約1.1倍に上昇していました。家庭で保育されていた子どもや家族人数が少ない家庭でリスクが高い傾向がありました。