コロナ禍と18か月児の言語発達:日本の6年間の反復横断研究
COVID-19 pandemic and language development in children at 18 months: a repeated cross-sectional study over a 6-year period in Japan
どんな研究?
01 — Summary岡山市の18か月健診を受けた3万3484人のデータを用いて、コロナ禍前後で乳幼児の言語発達を比べました。パンデミック中は言語発達のフォローアップが必要とされた割合(36%)がパンデミック前(33.5%)より高く、3語以上の意味ある言葉が出ないリスクも約1.1倍に上昇していました。家庭で保育されていた子どもや家族人数が少ない家庭でリスクが高い傾向がありました。
要点
02 — Key points- 01コロナ禍中、18か月児の言語発達フォローアップ必要割合が33.5%から36%に増加(RR 1.09)
- 023語以上の言葉が出ないリスクもパンデミック中に約11%増加(RR 1.11)
- 03家庭保育や家族人数が少ない環境でより高いリスクが示唆された
反復横断研究のため同一の子どもを追跡しておらず、個人レベルの因果関係は示せない。自治体単独のデータで日本全体への一般化には限界がある。コロナ禍以外の社会変化が影響した可能性も排除できない。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 反復横断研究
- エビデンス強度
- 観察研究
- 掲載誌
- Archives of Disease in Childhood
- 発表年
- 2023
- DOI
- 10.1136/archdischild-2023-325926
- 出典
- OpenAlex
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — RelatedCOVID-19パンデミックが乳幼児の発達に与えた縦断的影響:後ろ向きコホート研究
パンデミック前後に生まれた米国の子ども604人の24か月時点の発達を比較した研究です。パンデミック中に生まれた子どもは、コミュニケーション・個人・社会的スキルのスコアが低く、微細運動の遅れの割合も高い傾向が見られました。男児では言語と微細運動の遅れがより顕著でした。
COVID-19パンデミックが子どもの発達に与えた影響:パンデミック前・中・後の比較
COVID-19パンデミック中に18〜24か月だった子どもたちを36〜42か月まで追跡した研究です。パンデミック中に見られた言語発達への影響は36〜42か月時点では解消していましたが、新たに運動発達の発達指数の低下が確認されました。この運動への影響がパンデミックによるものか他の要因かは、さらなる検証が必要とされています。
コロナ前・禍中・禍後における子どもの言語・社会情緒発達:オランダYOUthコホートより
生後5か月〜4歳の子ども2,166人を対象に、コロナ前(2015〜2020年)・禍中(2020〜2022年)・禍後(2022〜2023年)に分けて言語・社会情緒発達を比べた大規模コホート研究(オランダ)です。禍中の子どもは語彙や社会情緒の発達スコアが低い傾向がみられましたが、禍後には一部の指標で回復がみられました。コロナ禍の社会的制限が幼児期の発達に影響を及ぼした可能性を示しています。