COVID-19パンデミックが乳幼児の発達に与えた縦断的影響:後ろ向きコホート研究
Longitudinal effects of the COVID-19 pandemic on infant and toddler development: a retrospective cohort study
どんな研究?
01 — Summaryパンデミック前後に生まれた米国の子ども604人の24か月時点の発達を比較した研究です。パンデミック中に生まれた子どもは、コミュニケーション・個人・社会的スキルのスコアが低く、微細運動の遅れの割合も高い傾向が見られました。男児では言語と微細運動の遅れがより顕著でした。
要点
02 — Key points- 01パンデミック中生まれの子どもは24か月時点でコミュニケーション・個人社会スキルのスコアが有意に低かった
- 02微細運動の遅れリスクは、パンデミック中生まれの子どもで約2.2倍高かった(95%CI 1.2〜4.2)
- 03男児はコミュニケーションと微細運動の両方で遅れリスクが高く、性差が認められた
後ろ向きコホート研究であり、因果関係ではなく関連を示すにとどまる。単一施設(米国の大学系クリニック)のデータで、対象の多くがヒスパニック系・黒人・低所得層であり、一般化には注意が必要。パンデミック固有の要因(保育所閉鎖、親の就労変化、医療受診減少など)を個別に分離できていない。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 後ろ向きコホート研究
- エビデンス強度
- コホート研究
- 掲載誌
- BMJ Paediatrics Open
- 発表年
- 2026
- DOI
- 10.1136/bmjpo-2025-003353
- 出典
- OpenAlex
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — RelatedCOVID-19パンデミックが子どもの発達に与えた影響:パンデミック前・中・後の比較
COVID-19パンデミック中に18〜24か月だった子どもたちを36〜42か月まで追跡した研究です。パンデミック中に見られた言語発達への影響は36〜42か月時点では解消していましたが、新たに運動発達の発達指数の低下が確認されました。この運動への影響がパンデミックによるものか他の要因かは、さらなる検証が必要とされています。
コロナ前・禍中・禍後における子どもの言語・社会情緒発達:オランダYOUthコホートより
生後5か月〜4歳の子ども2,166人を対象に、コロナ前(2015〜2020年)・禍中(2020〜2022年)・禍後(2022〜2023年)に分けて言語・社会情緒発達を比べた大規模コホート研究(オランダ)です。禍中の子どもは語彙や社会情緒の発達スコアが低い傾向がみられましたが、禍後には一部の指標で回復がみられました。コロナ禍の社会的制限が幼児期の発達に影響を及ぼした可能性を示しています。
乳児のはいはいのバリエーションと、その後の発達との関連
はいはいの動き方のバリエーション(多様な這い方)が少ない乳児は、2歳以降に発達の遅れが疑われやすいことがわかりました。特に手先の細かい動き(微細運動)と言葉の遅れとの関連が見られました。はいはいのバリエーションが豊かであることが、その後の発達の一つの目安になる可能性があります。