極端な暑さ・熱波が子どもの健康に与える影響:スコーピングレビュー
Impact of extreme heat and heatwaves on children's health: A scoping review.
どんな研究?
01 — Summary気候変動により増加する熱波・高温が子どもの健康に与える影響を113件の研究から整理したスコーピングレビューです。極端な暑さへの曝露は、早産・低出生体重などの悪い出生アウトカムのリスクを高めるほか、子どもの救急受診の増加、ぜんそくの悪化、熱中症、そして学校の成績低下とも関連していることが示されました。地球温暖化が続く中、子どもは特に熱の影響を受けやすいグループとして、対策の充実が求められています。
要点
02 — Key points- 01極端な高温曝露は早産・低出生体重のリスクを高める可能性がある
- 02子どもの救急受診、ぜんそくの悪化、学校成績の低下とも関連が報告されている
- 03熱波が増える気候変動下で、子どもを守るための適応策の研究が必要
スコーピングレビューであり、系統的なエビデンス統合は行われていません。研究間でデザインや定義が異なり、因果関係の確定には至っていません。対象とする暑さの定義や子どもの年齢層が研究により異なります。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- スコーピングレビュー
- エビデンス強度
- メタアナリシス
- 掲載誌
- The Journal of Climate Change and Health
- 発表年
- 2024
- DOI
- 10.1016/j.joclim.2024.100335
- 出典
- Europe PMC
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related妊娠中の高温曝露と子どもの心血管発達:上海出生コホートの証拠
中国・上海の1100組の母子を対象に、妊娠中の熱波への曝露と4歳時点の血圧・心臓の構造・機能との関連を調べました。妊娠9〜16週に極端な高温(上位5%以上)に曝露された場合、左心室肥大(心臓の壁が厚くなること)のリスクが高まる傾向が見られました。気候変動による高温化が子どもの心血管発達に影響する可能性を示唆する知見です。
妊娠中の抗精神病薬使用と新生児の健康:システマティックレビューとメタアナリシス
妊娠中に抗精神病薬(精神科薬)を服用した場合の赤ちゃんへの影響を、12本の研究(計1,000万以上の妊娠)でまとめました。先天異常のリスクは統計的に有意ではなく(OR 1.27、信頼区間が1をまたぐ)、早産リスクは有意に高い傾向(OR 1.35)でした。ただし研究間のばらつきが大きく、薬をやめることによる重症精神疾患の再燃リスクとのバランスを考慮した上で、主治医と相談して判断する必要があります。
体外受精を受けた子宮内膜症の女性における妊娠・周産期合併症:システマティックレビューとメタアナリシス
体外受精(ART)で妊娠した子宮内膜症の女性(約93,000人)と非子宮内膜症の対照群(約135万人)の妊娠・出産の結果を29の研究でまとめました。子宮内膜症がある人はARTの妊娠率・生産率が低く、早産・前置胎盤・産後出血・低出生体重・死産のリスクが有意に高い傾向がありました。ART後の妊娠管理には注意が必要なことが示唆されます。