股関節脱臼(DDH)の装具治療が運動発達に与える影響:システマティックレビュー・メタアナリシス
The Impact of Abduction Orthoses for the Treatment of Hip Dysplasia on the Development of Motor Skills: A Systematic Review and Meta-Analysis
どんな研究?
01 — Summary股関節発育不全(DDH)で装具治療を受けた乳幼児335人と健常児617人を比較した4研究(計952人)のメタアナリシスです。装具を使用した乳幼児は、歩き始めが約0.55か月、座る動作が約1.11か月遅れる傾向がありましたが、いずれも臨床的には小さな差でした。一方、治療しない場合の股関節変形のリスクと比べれば、装具治療のリスクは小さいと評価されています。
要点
02 — Key points- 01装具治療を受けた乳幼児は歩き始めが約0.55か月、座りが約1.11か月遅れる傾向があった
- 02ハイハイには有意な遅れは認められなかった
- 03運動マイルストーンの遅れは軽微であり、治療しないリスクと比べれば許容範囲と評価される
統合できた研究が4件と少なく、研究デザインや対象集団の違いがあります。装具の種類(Pavlikハーネスなど)が研究間で異なります。長期的な運動発達への影響は不明です。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- システマティックレビュー・メタアナリシス(観察研究のまとめ)
- エビデンス強度
- メタアナリシス
- 掲載誌
- Journal of Clinical Medicine
- 発表年
- 2026
- DOI
- 10.3390/jcm15041595
- 出典
- OpenAlex
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related生まれてから一人歩きまでの「粗大運動」の発達に関わる要因(縦断研究のシステマティックレビュー)
健康な赤ちゃんが、寝返りやお座り、歩き始めといった体の大きな動き(粗大運動)をどう発達させるかに関わる要因を、長期間追いかけた36件の研究からまとめたレビューです。出生時の体重が重いほど運動の発達が進みやすいという関連が、最も確かな根拠とともに示されました。妊娠週数(早産かどうか)や、ふだんの寝かせ方(うつぶせの時間など)にも、中くらいの強さの関連が見られました。
歩き始めなどが遅かった子は、その後の運動量が少なめ?(GECKOコホート)
オランダの出生コホート(GECKO Drenthe)で、赤ちゃんの運動の節目(支えなしで歩くなど)の達成時期と、その後の子ども時代の運動量との関係を調べました。支えなしで歩き始めるのが遅かった子ほど、子ども時代に座って過ごす時間が長く、活発な運動が少ない傾向が見られました。一方、BMI(体格)との関連は見られませんでした。
インドネシアの栄養不良児における運動発達
インドネシアの統合サービスポスト(Posyandu)で1,065名の乳幼児を対象に、栄養不良と運動発達(座位・歩行)の関係を調べた研究。軽度〜中等度の栄養不良児でも、坐位・歩行の獲得が有意に遅れていた。たんぱく質・エネルギー欠乏が運動発達に影響する可能性が示された。