栄養・腸内細菌叢・神経発達障害の関連:レビュー
Exploring the links between nutrition, gut microbiome, and neurodevelopmental disorders
どんな研究?
01 — Summary自閉スペクトラム症(ASD)などの神経発達障害と、食事・腸内細菌叢の関係をまとめたレビューです。加工食品の多い食事や腸内細菌叢のバランスの乱れ(特にビフィドバクテリウムの減少)がASDの症状と関連する可能性が示されています。地中海食やケトジェニック食が認知機能や神経発達を支える可能性も示唆されていますが、いずれも観察的な関連であり、介入による有効性はまだ十分には確認されていません。
要点
02 — Key points- 01ASDでは腸内のビフィドバクテリウム減少など、腸内細菌叢の構成が変化している傾向がある
- 02超加工食品の多い食事が腸内環境と認知機能に悪影響を及ぼす可能性がある
- 03地中海食・ケトジェニック食が神経発達を支える可能性が示唆されているが、証拠はまだ限定的
ナラティブレビューであり、因果関係を示すものではない。観察研究や動物実験が多く、ヒトへの介入エビデンスは限られる。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- ナラティブレビュー
- エビデンス強度
- 総説・その他
- 掲載誌
- Nutrition
- 発表年
- 2025
- DOI
- 10.1016/j.nut.2025.113030
- 出典
- OpenAlex
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related早期乳児期の腸内細菌叢と自閉スペクトラム症発症との関連:MARBLESコホート研究
自閉症のリスクが高い家族の子ども(ASDの兄弟がいる)を追跡したMARBLESコホートで、生後0〜7か月の便サンプルから腸内細菌叢を解析し、36か月時点のASD診断との関連を調べました。全体的に菌の多様性(α・β多様性)や特定の菌の量に有意差はなく、ASDリスクと腸内細菌叢の関連は混在した結果でした。補正前ではVeillonellaやFlavonifractorの減少がASD発症と関連しましたが、多重比較補正後は有意ではありませんでした。
腸内細菌から発達の節目へ:早産後の腸内細菌叢と神経発達の関連
非常に早産で生まれた赤ちゃん73人を対象に、NICU退院前の便サンプルで腸内細菌叢を解析し、生後9か月・2歳時の神経発達との関連を調べました。いくつかの細菌の量が自閉症的特性、社会情動的発達、実行機能と関連する傾向が確認されました。また、腸と脳をつなぐ信号経路(ヒスタミン・キノリン酸代謝)に関わる機能モジュールが実行機能と関連していました。
超早産児の生後1か月の腸内細菌叢と2歳時の神経発達アウトカムの関連
生後1か月の超早産フランス人乳児73人の便を調べ、腸内細菌・代謝産物・遺伝子発現を総合的に分析して、2歳時の神経発達(Ages & Stagesアンケート)との関連を検討しました。腸内細菌が大腸菌(Escherichia)優位のグループでは代謝経路が活発で、2歳時の発達が良好な傾向があり、ブドウ球菌(Staphylococcus)優位では逆の傾向がみられました。腸内細菌叢が腸管の成熟度の指標になりうる可能性を示しています。