ソーシャルメディアが思春期の精神的健康に与える影響:オーストラリアの集団コホート研究
The Effects of Social Media on Adolescent Mental Health: Findings From a Population-Based Cohort Study in Australia.
どんな研究?
01 — Summaryメルボルンの学校に通う12〜18歳の若者1,195人を最大11年間追跡し、ソーシャルメディアの使用時間と精神的健康の関係を調べました。1日2時間以上の使用は、翌年の抑うつ症状の高まり(リスク差+6.3%)やウェルビーイングの低下と関連しており、特に12〜13歳の早期思春期での影響が大きい傾向がみられました。女性の早期思春期では抑うつリスクがより顕著でした。
要点
02 — Key points- 011日2時間以上のソーシャルメディア使用は、抑うつ症状やウェルビーイング低下のリスクと関連していた
- 0212〜13歳の早期思春期での影響が最も大きく、特に女性で顕著だった
- 03関連の大きさは小さいものの、早期思春期への配慮が必要と示唆される
自己報告によるソーシャルメディア使用量のため、正確性に限界がある。観察研究であり、因果関係は示せない。コンテンツの種類(受動的閲覧か能動的交流か)は区別されていない。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 前向きコホート研究
- エビデンス強度
- コホート研究
- 掲載誌
- The Medical journal of Australia
- 発表年
- 2026
- DOI
- 10.5694/mja2.70220
- 出典
- Europe PMC
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Relatedウェアラブルによる睡眠健康の多次元評価と若い思春期の精神的健康
米国のABCD研究に参加した11〜13歳の若者3,393人を対象に、ウェアラブル(Fitbit)で測定した睡眠の複数側面(時間・規則性・効率など)と精神的健康の関連を縦断的に調べた研究です。睡眠時間が短く・規則性が低く・効率が悪い複合的な「睡眠の不健全さ」が、1年後の不安・抑うつ・注意問題などと関連していることが示されました。
スクリーンタイムと思春期のうつ症状のつながりにおける睡眠と白質の役割
9〜10歳のときにスクリーンタイムが長かった子どもは、11〜13歳になったときにうつ症状が多い傾向がありました。この関連の約36%は、睡眠時間の短縮と脳の神経繊維(白質)の組織変化によって説明できる可能性があります。スクリーンタイムが長くなると睡眠が短くなり、それが脳の発達や感情の健康に影響しているかもしれません。
テクノロジーを活用した保護者の管理とデジタルメディア使用:北イタリアの大規模横断研究
北イタリアの6〜17歳の子ども5,832人の保護者を対象に、デジタルメディアの使用とテクノロジーを活用した保護者管理(利用制限・フィルタリングなど)が子どもの健康に関連するかを調べた研究です。デジタルメディア使用量は年齢とともに増加し、保護者管理は11歳でピークになる傾向がみられました。思春期中期(早期青年期)では、デジタルメディア使用も保護者管理も精神的健康症状と関連していました。後期青年期(16〜17歳)ではデジタルメディア使用が睡眠時間・身体活動と関連していました。