乳児期の自閉スペクトラム症前駆症状への早期介入の実現可能性と予備的有効性
Feasibility and preliminary efficacy of an infant preemptive intervention for prodromes of autism spectrum disorder (ASD) delivered within an Italian tertiary hospital
どんな研究?
01 — Summary自閉スペクトラム症(ASD)の早期サインがある15か月未満の乳児30人を対象に、保護者が週1回テレヘルス(オンライン)で行う発達支援プログラム(FIRRST)を6か月間実施したパイロット研究です。プログラムを完了した28人では、保護者の関わり方のスキルが向上し、ASD症状スコアの改善と発達指標の向上が観察されました。ただし比較対照群がなく、効果の解釈には慎重さが必要です。
要点
02 — Key points- 01週1回のテレヘルス早期介入プログラムの脱落率は6.7%と低く、保護者の満足度は高かった
- 02介入後に保護者の関わりスキル・子どものASD症状スコア・発達指標が改善した
- 03対照群なしのパイロット試験であり、有効性の確認には今後のRCTが必要
無作為化対照試験ではなく比較対照群がない。サンプル数が少なく(30人)、単施設のパイロット研究。開放ラベルのため評価者バイアスが否定できない。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 非対照パイロット研究
- エビデンス強度
- 総説・その他
- 掲載誌
- Frontiers in Child and Adolescent Psychiatry
- 発表年
- 2026
- DOI
- 10.3389/frcha.2026.1776508
- 出典
- OpenAlex
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related自閉スペクトラム症の未就学児への、保護者が行う早期介入の後の家庭での遊びの発達
遊びはことばや社会性、考える力の発達と関わる大切な活動ですが、自閉スペクトラム症の幼い子どもでは遊びの発達がゆっくりなことがあります。低所得の家庭97組で、保護者が遊びを通して関わり方を学ぶ早期介入(JASPER)を受けた子どもと、保護者向けの説明のみを受けた子どもを比べ、家庭での自然な遊びの様子を観察しました。介入を受けた子どもの方が、単純な遊びから見立て遊び(ごっこ遊び)への変化が大きい傾向がみられました。
自閉症のリスクが高い乳児における早期運動発達の軌跡
ASDのきょうだいがいる乳児(EL-AutSib)51人、結節性硬化症(EL-TSC)16人、低リスク群26人の計93人を対象に、生後3〜12か月の粗大運動発達(アルバータ乳児運動スケール)を追跡しました。ASDと診断されたEL-AutSibでも、低リスク群と比べた運動発達の遅れは統計的に有意ではありませんでした。一方、結節性硬化症の乳児では運動スコアが有意に低く、発達の遅れが早期から明確でした。
自閉症の子どもと若者の発達支援における最新知見
自閉スペクトラム症(ASD)の子どもと若者における発達的な軌跡と介入支援の最新エビデンスをまとめたレビュー論文です。コホート研究により、早期の発達スキルと適応力が重要であることが示されており、介入研究では発達的アウトカムに一定の効果が確認されています。一方、当事者が重視するのは受け入れられること・意味ある社会参加であり、自閉症の当事者視点を支援の目標に組み込むことの重要性が強調されています。