母乳育児と子どもの呼吸器アレルギー・アレルギー性ぜんそくの関連:縦断研究
Breastfeeding and Its Relationship to Childhood Respiratory Allergies and Allergic Asthma a Longitudinal Study
どんな研究?
01 — Summaryアメリカの大規模コホート(約1,177組)を用いて、生後3か月間の完全母乳育児と6歳時のアレルギー・ぜんそくの関連を調べた研究です。完全ミルク育児と比べると、完全母乳育児をした子どもは呼吸器アレルギーのリスクが約37%低く(AOR 0.63)、アレルギー性ぜんそくのリスクも約46%低い傾向がありました。ただし、ぜんそく全体(アレルギー性でないものを含む)での差は見られませんでした。
要点
02 — Key points- 01生後3か月間の完全母乳育児は、完全ミルク育児に比べて6歳時の呼吸器アレルギーリスクが37%低い傾向(AOR 0.63)
- 02アレルギー性ぜんそくのリスクも約46%低い傾向があった(AOR 0.54)
- 03ぜんそく全体(アレルギー性に限らない)では授乳方法による差は確認されなかった
観察研究(コホート)であり、関連であって因果関係ではない。アレルギー診断は母親の自己報告に基づく。交絡因子(家族歴・喫煙・住環境など)を調整しているが、測定されていない要因の影響は残る。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- コホート研究(縦断)
- エビデンス強度
- コホート研究
- 掲載誌
- Current Developments in Nutrition
- 発表年
- 2019
- DOI
- 10.1093/cdn/nzz048.p11-104-19
- 出典
- OpenAlex
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related母乳育児と子どものアレルギー疾患との関連:エコチル調査
エコチル調査の約10万件のデータを分析した研究で、生後6か月間の完全母乳育児は気管支ぜんそくや鼻炎のリスクを下げる傾向がある一方、食物アレルギーのリスクはやや上昇する傾向が示されました。これらの関連は3歳以降には薄れていき、また男女差も見られました。
乳児期の授乳・離乳食の時期と子どものぜんそく・アレルギー疾患の関連
フィンランドの3,781人の子どもを5歳まで追跡したコホート研究。母乳育児の期間と補完食の導入時期が、ぜんそくや他のアレルギー疾患の発症リスクとどう関係するかを調べました。早すぎる補完食の導入が一部のアレルギーリスクと関連する傾向が報告されています。
母乳育児は子どもの健康に因果的な影響があるか(遺伝情報を使った因果推論)
母乳育児と子どもの健康の関係を、遺伝情報を手がかりに因果関係を推定する「メンデルランダム化」という手法で調べた研究です。この方法では、母乳育児と知能や情緒・社会性などの心の発達との間に、はっきりした因果関係は見つかりませんでした。一方で、母乳育児が子どものぜんそくのリスクを下げる方向の関連は示されました。身長や肥満などほかの体の健康では明確な因果関係はみられませんでした。