新生児・乳児の頭蓋変形(向き癖による頭の変形)
The Cranial Deformity in Neonates and Infants
どんな研究?
01 — Summary日本の研究グループが行った向き癖による頭蓋変形(位置性斜頭)の調査では、健康な乳児の生後1か月時点での有病率は約65%、重症例は約7%でした。重症の向き癖変形の66%は3か月後も自然には改善せず、生後1か月時点での変形の重さが6か月時点の重さを予測できることが示されました。
要点
02 — Key points- 01健康な乳児の約65%に位置性斜頭(向き癖による頭の変形)が見られ、重症例は約7%
- 02重症例の66%は3か月後も自然改善しなかった
- 03生後1か月時点での変形の重さが、6か月時点の重さを予測する指標になることが示された
単施設の専門外来データであり、一般集団を代表していない可能性があります。治療法の有効性について直接比較した試験ではありません。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 観察研究(症例シリーズ含む)
- エビデンス強度
- 観察研究
- 掲載誌
- Journal of Nihon University Medical Association
- 発表年
- 2023
- DOI
- 10.4264/numa.82.4_203
- 出典
- OpenAlex
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related位置的斜頭にヘルメット治療は効果がある? システマティックレビューと治療指針の提案
向きぐせなどでできる頭の形のゆがみ(位置的斜頭)に対するさまざまな治療法の効果を、これまでの研究をまとめて評価したシステマティックレビューです。ヘルメット治療は、中等度〜重度の赤ちゃんで初期の頭の形の改善を早める傾向が見られましたが、自然経過や向きを変えるなどの方法と比べて、長期的にはっきり優れているとは示されませんでした。治療法による差は時間とともに小さくなる、と報告しています。
向きぐせによる頭の形のゆがみと、ヘルメット治療の効果(ランダム化比較試験)
向きぐせなどでできる頭の形のゆがみ(位置的斜頭・絶壁)に対し、ヘルメット治療が自然経過より優れているかを、中等度〜重度の生後5〜6か月の赤ちゃん84人で調べたランダム化比較試験です。ヘルメットをつけたグループと、何もせず自然な経過を見たグループで、2歳半時点の頭の形の回復に差はありませんでした。一方、ヘルメットには皮膚のかぶれや痛み、装着のつらさなどの負担がありました。
ヘルメット治療を受けた位置的斜頭の子で、頭囲の伸びが小さくなった
位置的斜頭でヘルメット治療を受けた赤ちゃん約240人について、治療の前後で頭囲(頭の周りの長さ)の伸び方を調べた観察研究です。治療後に頭囲のパーセンタイル(標準的な伸びと比べた位置)が中央値で50から25へと下がっていました。頭の中の圧が高まるような症状は見られず、発達は年齢相応でしたが、この変化の臨床的な意味を確かめるにはより長期で大規模な追跡が必要だとしています。