言語遅れのリスクがある子ども:レイトトーカーと早産児の語彙発達
Children at risk for language delay
どんな研究?
01 — Summaryイタリア語話者のレイトトーカー(言葉が遅い子)と早産児を対象に、マッカーサー乳幼児言語発達質問紙(CDIs)を用いた研究グループの成果をまとめたレビューです。CDIsが言語遅れの早期把握に有効であることが確認されました。また、早期の受容語彙・表出語彙の大きさが、その後の語彙発達や言葉の組み合わせを予測することが示されました。さらに、CDIsのデータをもとに、語彙評価と親への絵本読み聞かせ指導を組み合わせた支援ツールが開発されています。
要点
02 — Key points- 01CDIsはレイトトーカーと早産児の言語遅れを識別し、神経発達の異なるプロフィールを追跡するのに有効なツールだった
- 02早期の受容・表出語彙の大きさは、その後の語彙発達と言葉の組み合わせを予測した
- 03語彙評価ツール(PiNG)と親コーチング型の読み聞かせ介入が開発された
イタリア語話者を対象とした研究であり、日本語話者や他言語環境への一般化には限界がある。レビュー形式であり、個々の研究のバイアスリスクの詳細な評価は限られている。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 研究グループのレビュー(観察研究の統合)
- エビデンス強度
- 観察研究
- 掲載誌
- Hrvatska revija za rehabilitacijska istraživanja
- 発表年
- 2026
- DOI
- 10.31299/hrri.62.si.12
- 出典
- OpenAlex
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related絵本の読み聞かせは、子どもの言葉の力を伸ばす?(メタアナリシス)
大人と子どもが一緒に絵本を読む「読み聞かせ」が、子どもの言葉の発達にどれくらい役立つかを、多くの研究をまとめて調べた研究です。読み聞かせには言葉の力を伸ばす効果がみられましたが、その大きさは小さめで、これまで言われていたよりも控えめでした。とくに、比較相手にも別の活動をしてもらった厳密な研究では、効果はごくわずかでした。
低所得世帯における言葉が遅い子の語彙の伸び方を調べる縦断研究
アメリカの低所得世帯の子ども199人を、生後8か月から30か月まで追いかけ、話す言葉の数の伸び方を調べた研究です。22〜30か月で言葉が遅いと判定された子は、語彙の伸びがゆるやかで、時間が経つほど語彙量の差が広がっていました。差が出はじめる時期は生後11か月ごろと早く、著者はより早い段階での見守りや支援の必要性を指摘しています。
言葉が遅い子は『ただ遅いだけ』?レイトトーカーが話す語彙の特徴を調べる
大規模な語彙データベースを使い、言葉が遅い子ども(202人)が実際に話す言葉の特徴を、同じ年齢の子や同じ語彙量の年下の子と比べた研究です。言葉が遅い子の語彙は、年齢は同じでも語彙量の近い年下の子とよく似た特徴を持っていました。著者は、言葉が遅い子は発達の道すじが『ずれている』のではなく、ゆっくりたどっている(遅れているが普通の順序)可能性があると述べています。